シロの父・悟郎(志賀廣太郎)の検査で何も異常が見つからなかったと知った時の
母・久栄(梶芽衣子)が熱く感謝の意を伝えている姿を見て、
ああ、良かった...家にいなくなってから初めて分かる「支えとなる人がいる事の有難み」
だよねぇ...と。アバンからハートフルな気持ちになりましたが、
本編にもその要素がいっぱい詰まっていたと思います。
「ちゃんと実家に帰ったほうが良いよ」とシロ(西島秀俊)を心配するケンジ(内野聖陽)。
まだこってりした物は食べられない悟郎のために寄せ鍋を作ってあげる久栄。
ゲイに対する理解はある程度してくれている両親。(これは、本当に貴重。)
孫の件でシロに気を遣わせないようにと、隣の子供を可愛がる事を密かに決めた両親。
ほんのお節介心で思いやってくれる家族と恋人がいる事が「贅沢」なのだと、
些細なやり取りを通してしみじみと感じられます。
各々の動きに焦点を当てて見せていけば、視聴者は自ずとその行為自体を解釈する。
台詞で分かりやすくしない作りが良いです。
そんな「愛情」と同時に、「信頼感」も描かれました。
ケンジが1人で年越ししても全く寂しい表情を匂わせないのは、
シロが必ず帰ってくると分かっているから。長く付き合いがある分だけ信じられる。
「真夜中に食べたら、シロさん怒るんだろうなぁ」と
手間暇かけた味噌ラーメンを作りながらそう呟くケンジ。
これが、前回でシロさんが料理してる時に言った「ケンジ、これ好きなんだよなぁ」と
"相手を思い浮かべる"点で対になっていたのが、個人的には地味に感動してしまいました。
もう十分、相思相愛なカップルなのは一目瞭然ですよね。ちょっと、震えたわ。
帰ってきたシロが大量に持ってきた餅の消費にも全く嫌な顔をせず、
一つ一つ丁寧に感想を言ってくれるのもまた愛情だなぁ…と思っていた所、
やっぱり飽きるよね(笑)とクスッとするオチも微笑ましい。
これからもこんな何気ない日常を過ごせるように、
ケンジも両親もちゃんと大事にしてあげてねって言いたくなりました。
栗きんとんを食パンに塗って食べる発想は全然思い付きもしませんでしたが、
見ていて、確かに美味しいかもなぁ...なんて。
餡子と同じ原理ですよね。お正月の時に試してみたいです。
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