今回は登場人物それぞれの「考え方」「思いやり」がじっくり描かれたお話でした。
まず、ゲイに対してある程度の理解をしている(と本人は思っている)
シロ(西島秀俊)の両親。他の作品とは違って「理解しているつもり」なのが本当に辛い。
"ゲイ" でも "犯罪者" でも受け入れるからね、と同列で励まそうとするお母さん。
どんな女性なら良いんだ?と聞いてしまうお父さん。
シロのように息子の立場であったら、なぜきちんと理解してもらえないのだと苦しんで、
誰かに相談したくなるのも分かります。
でも、相談相手である佳代子(田中美佐子)はその両親の本意を
決して否定しようとはしませんでした。
他人だから受け入れられる事もある。
自分だって突然娘がレズだと言われたら、正直、冷静にはなれないよ…と。
両親なりの頑張りを汲んで、どちら側も責めず親身に寄り添おうとする作りが好きです。
誰も悪くはない。皆それぞれに優しさは持っている。
佳代子の旦那(矢柴俊博)だって、シロと同じゲイの友達を呼んだのは、
窮屈な思いをさせないように…という心配りからですよね。きっと。
前半で「ゲイに対する考えのすれ違い」を描いた後は、
シロとケンジ(内野聖陽)による「気持ちのすれ違い」が描かれました。
1話にもあった通り、ケンジはありのままに自分の話をするタイプですが、
シロは必要以上に話そうとはしないタイプ。
それと一緒で、恋人に心配させまいとして、シロはシロなりに悩みをグチグチ
伝えないようにしようとしていたのかもしれません。
言い過ぎても解決はしない。相手に迷惑がかかるだけだと。
あくまでも予想に過ぎませんが、そういう思いやりなら共感出来る所はあります。
でも、今田(佐藤仁美)という依頼相手によって、彼の考えは新たに変わりました。
「聞いてもらうだけで救われる事は多い」
シロ自身も、佳代子との関わりで経験した事。
話す相手がいる事が大切だと背中を押してくれたような心境だったと思います。
終盤では、心配するケンジに悩みを伝えるシロの姿が。
恋人に相談されて、涙声で嬉しさを露わにするケンジの様子を見て、
私もちょっともらい泣きしちゃいました。
作ってくれたご飯を美味しい美味しいと言ってくれるのもそうですが、
ほんの小さな事でも大きな感情を見せるケンジは、とても素敵な存在ですよね。
食卓を囲むための準備に二人で取り掛かるシーンで本編は終了。
気持ちがすれ違った時でも、落ち込んだ時でも、最後にはご飯が二人の心を温めてくれる。
小日向(山本耕史)の「可愛い」をボソッと言うシーンにクスッとしつつ、
考えさせられる所もあり、じわりと来る所もあり…な時間でした。
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