やっぱり、演出に見応えがあるんですよねぇ…このドラマ。
それだけで「良い作品だ」という気分にさせられます。
裁判シーンにかかった、ファンファーレかのような劇伴が流れる時には
思わずワクワクさせられますし、杏子(常盤貴子)と検察側で
ペンのカチカチ対抗を交互で映すのにはニヤッともしてしまいます。
一番印象的だった演出は、何と言っても、階段を上る大輔(橋爪功)のシーン。
一度は引退を考えたものの、もう一度弁護士になろうと決意した大輔の姿は、
とても逞しく、芯がしっかり通っていたよう。
この時にかかっていた主題歌が、まるで彼を後押ししてくれている気さえしました。
主人公の杏子も引き続き、どこか可愛らしく、
純粋に応援したくなってしまうキャラクターです。
些細な場面でも「この人頼もしそうだな」「出来る人だな」と感じさせる
常盤さんの演技、台詞回しが上手いんですよね。
強い女性になる積み重ねの描写も、先輩との関わりや我が子とのやり取りを
ストーリーに含める事によって、自然と自信に繋がっていく感じが心地良いんです。
内容の方は…冤罪を部分的に晴らす設定は斬新でしたし、
1つの証拠で全てがひっくり返る逆転劇の見せ方には、思わず爽快感が走りました。
近年の弁護士ドラマは、主人公の個性的なキャラで話を引っ張っていくものが
多い印象ですが、本作は何と言っても法廷シーンが面白い。よく捻られてます。
ここは、今後も楽しみに待ちたいです。
強いて言うならば、本筋と縦軸の話が相変わらず満遍なく描かれているのは
気になりますし、個人的には前回お気に入りだった
「いいえ、でも強くなれます。」のような、
杏子だからこその信念を感じさせる要素がもっとあっても良いと思います。
演出の良さを抜きにしたら、
魅力的な所もあるけれど、飛び抜けて見応えがある訳ではない…
今の段階ではそんな印象です。ちょっと惜しい感じ。
次回から通常時間での放送なので、話が引き締まり、
独自性が徐々に出てくる事を期待します。
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