グッドワイフ 最終回 感想|シロでもクロでもない解決方法に天晴れ

 

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面白かったですね。最終回がスッキリまとまると、

視聴後には「ああ、良い作品だったなぁ」という気持ちでいっぱいになります。

日曜劇場では珍しく拡大放送しなかった事も功を奏していて、

各登場人物の言動には何か裏があるんじゃないか、何か企んでいるんじゃないかと

一筋縄ではいかない作りに仕上がっていた、終始緊張感のある物語で見せてくれました。

 

多田(小泉孝太郎)がシロだとしたら、完全に壮一郎(唐沢寿明)の

私情丸出しな計画通りで終わってしまって結末的には尻すぼみ感があるし。

逆にクロだとしたら、事務所も潰れて、今までその場所で経験を積み重ねてきた

杏子(常盤貴子)もまた崖っぷちのスタートになりそうで気の毒だし。

どっちに転んでもスカッとはしないよなぁ…だから南原の事件で引っ張れば良かったのに…

と思いながら途中まで見ていたのですが、

壮一郎の本当の狙いが分かった途端、前半部分と前回で感じたモヤモヤが

一気に吹っ飛びました。前回で失速したなぁと勝手に思ってゴメンね!って。

欲を言えば、壮一郎の動きに「もしかして?」と匂わせる伏線が

もうちょっと出されてても良かった気はしますが、

杏子の逆転劇の更に上をいく大逆転劇になっていて、まんまとやられた気分です。

 

スカッとした後、杏子と壮一郎は離婚する事を決め、

杏子は「"良い妻"をやめる」=「"グッドワイフ"をやめる」選択をする結末に。

今までは、壮一郎を信じたい、家族の形を壊したくないという苦悩の中で、

何とか「グッドワイフ」であり続けようと懸命に数々の事件に取り組んできた。

でも、壮一郎の事件、3年前の真相が分かった今、これ以上妻として夫に対する

複雑な気持ちは残しておきたくはない。

やめると決めたのも、円香(水原希子)との関係を取り戻したいと思ったのも、

多分、「あなたがなりたいと思う自分のあなた」って言葉があったからじゃないかなぁ。

これからは事務所の人たちと良いパートナーを築き上げて行きたかった。

そんな所なのかもしれません。

夫婦それぞれの旅立ちを応援するかのような爽やかな主題歌の入り、暖かい夕陽が、

何とも美しいシーンでもありました。

 

予想の遥か上を行く逆転劇が用意されていた脚本。

主題歌のタイミングと光の当て方がいつも抜群だった演出。

キャッチーでもありつつ、法廷シーンでは特に盛り上げ方の上手かった劇伴。

どの要素もとても良かったのですが、

バリバリの完璧なキャリアウーマンではないけど「芯が強く」「逞しく」、

でも時に弱さも抱えてる「一人の人間」として、登場人物の心情変化や葛藤を

じっくり描き上げる所が一番好きでした。

男尊女卑でもない。女性持ち上げでもない。「かっこいい人はかっこいい」

そんな大人のドラマだったと思います。

 

主演の常盤貴子さんの演技も初めて拝見したんですけど、

強い部分もありつつどこか弱さもあって、どこかチャーミングで…

一人の働く女性として純粋に見守りたくなるような「蓮見杏子」という人物を

見事に演じてらしてましたね。

徐々に弁護士としての自信を取り戻していく姿、顔つき、こみ上げる感情の出し方。

「演技」じゃなくて、もはや「杏子そのもの」でした。

また別作品でお会いしたいくらい魅力的な女優さんです…本作をきっかけに

今度再放送する「遥かなる山の呼び声」見てみようかなぁと思ってます。

 

視聴前は海外版リメイクという事で不安がありましたが、

全然無理のない内容に仕上がってて面白かったです。

TBSのドラマでは、金10に続いて本作も良い形で終われました。

火10も上手い事まとまって欲しいですね。

 

 

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