うーん、人物の心情と事件との重ね方とか、縦軸の見せ方とか、
ここまで基本的に面白く見てるのには変わりないんですが…
裏切り者はやっぱり佐々木(滝藤賢一)。それが分かった所で南原(三遊亭円楽)が
捕まって、散々1話完結の部分と同時進行させた縦軸の件はあっさり解決。
南原の件に関しては、最終回まで巧みに引き伸ばして描かれると思っていたので、
この結末にはちょっと肩透かし感がありましたね。
(もし最後になってラスボスが出て来るのなら話は別ですが。)
それに加え、遠山亜紀(相武紗季)の件、円香(水原希子)の過去、事務所での座席争いを
前回と今回でごちゃっと解決させて、最終回直前で多田(小泉孝太郎)にまつわる
新たな事件を導入する辺り、全10話を通しての構成力不足が目立った印象です。
原案の海外版なら話数も多いですから、色々なエピソードが用意出来るのは分かるのですが…
あと2,3話増やすか、どこをどのくらいの話数で描き上げるか、
日本版に合わせてもう少し要素を整理すべきでした。
構成力不足、というか、唐突に感じた所はもう2つあって、
なぜ最近まで不貞行為をしていた壮一郎(唐沢寿明)が、急に杏子(常盤貴子)に
旦那としての執着心を持つようになったのか、なぜ多田に対抗しようと思ったのかも
気になったかな。
そして、「子供を守る"お母さん"としての面も持つ」杏子が、
自分の私情だけでなぜ離婚を即決してしまったのかも…。
子供2人の事を考えたら、本当に離婚して良いのか冷静になって立ち止まってみたり、
離婚以外にも他に傷つけない解決方法があるんじゃないかという考えに至るはずです。
少なからず、ここまで描いてきた「困難を乗り越えて成長した杏子」を貫かせるには、
そういった描写が必要だったでしょう。
杏子の気持ちを想えば辛いのは分かりますが、
それも描いてこそ「グッドワイフ」もとい立派な弁護士像が出来上がるものだと思うので。
どちらにおいても、私情丸出しなのが疑問に感じたのは確かです…
話には「?」な部分があったものの、常盤貴子さんの演技に魅せられる回ではありました。
壮一郎が3年前に浮気したと分かった時の気持ちの荒れよう、精一杯持ち堪えようと
涙をこらえて次の案件に挑む様子。
極め付けは、円香と屋上で対話し関係を断ち切った後の泣き叫ぶ姿。
「演技」「なりきった」上での感情の出し方じゃなくて、
最早「杏子という人物そのもの」から溢れ出る感情という感じがしましたね。
あーだこーだ書きはしましたが、どうか、着地点が駆け足にならないよう願うばかりです。
冒頭にもあった通り、ここまで面白く見てきたので…!
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