僕らは奇跡でできている 9話 感想(長めです)

 

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はぁ…まさか、視聴後に凄くモヤモヤさせられるとは。

まさか、心に重りがのし掛かって来たような気持ちになるとは。

それくらいには衝撃度の高い9話でした。その理由は下に書きます…

 

考え方を提示する題材で「否定」は避けては通れなかった

 

このドラマは今まで、相河一輝(高橋一生)という人物を通して、

周りが変化して行く過程が丁寧に描かれていました。

 

変化する前の育美(榮倉奈々)や虹一母・涼子(松本若菜)、

山田(戸田恵子)など、普通に囚われてしまった理由もきちんと描き、

それぞれの生き方を「正しい」「正しくない」に

ハッキリ分けないのが本作の作風でもあります。

相河の言葉を聞いて、"自分はどうしたいのか" を重んじてきたのが共通点です。

 

ただ、その人達とは違って、初めて「真っ向から否定する」人物が現れてきました。

樫野木(要潤)先生です。

 

ここで、価値観の多様性についてまた考えさせられます…

例えばSNSなら、1つの呟きに共感のボタンを押したり、

俯瞰的に見て分析したり、批判したり…

受け取り方次第で、色々な意見があるという事がすぐ目に見えるのが現状です。

それと一緒で、ある意味哲学的なこのドラマも

「否定的な意見」を持つ人物を描かざるを得なかった。

その役を担ったのが、相河と同じ研究室の所属で、同じ講師である

樫野木だというのも、何とも頷けます。

 

最終回前で「樫野木の悩み」を持って来るのも実に巧みな流れです。

5話ぶりに出た少年時代の相河の映像も含め、

終盤になって、既に変化した人物との関わりを微笑ましく見ていた分、

大きな爆弾が投げ込まれた感覚が強かったんですよね。

 

樫野木先生の言葉にショックを覚える…

 

これは別に、「相河にそんな事言うなんて!」という悲しい意味ではなくて、

溜め込んだストレスを発散させるかのような、

樫野木の「見た事ない姿」が強く印象に残ったという意味でありまして…

自分も思った事は抱え込んだり、相手を羨んでしまったりするタチなので、

一気に共感したんですよね。心にグサッと来たというか。

 

でも、樫野木の相河に対する嫉妬心は、恐らく完全には無いのではないでしょうか…

樫野木「そりゃさ、相河先生みたいになれたら幸せだよね。

    学力があって、出来ない事があっても支えてくれる人がいて、

    好きな事だけやってられて。」


   「子供はさ、キラキラした大人に憧れるけど、

    キラキラした大人なんてほんの一握りしかなれない。
    なのに学生達も相河先生みたいになりたがっている。

    なれなかったらどうすんの。責任取れんの。」


   「相河先生はさ、ここだからいられるんだよ。他所じゃやって行けない。

    それ分かってる?分かってるなら、人生の成功者みたいな顔して

    学生に勘違いさせないでほしい。迷惑なんだよ。悪影響なんだよ。」


   「ここから消えてほしい」

私にとっては、相河のようになれなかった自分に対する

「嘆き」のように聞こえてしまいました…

 

樫野木の発言も一理あるのです。

そりゃあ、本当に好きな事を仕事に出来たらとっても嬉しい。

だけど、全ての人が思い通りに行くかと言ったら、残念ながらそうではない訳で…

そんな不条理な世の中で、生活のために、家族のために、と思って

現実的な仕事を選ばざるを得ない人はいっぱいいるんですよね。

 

離婚した理由が、本当にフィールドワークかどうかは分かりません。

でも、少なからず「このままじゃ家族を幸せに出来ない」という

自分なりの固定観念がどこかにあって、

そうなると純粋にフィールドワークも楽しめなくなって、

考えた末、樫野木も真っ当な道を行く一人になったのだと思います。

そんな中で、相河との出会いがあって、まるで過去の自分の延長線上にいるようで

つい怒ってしまった、という気持ちになるのは分かります。が…

 

本当に「消えて欲しい」くらいの相手だったら、

わざわざ娘のお迎えを頼まないと思うんです。

リスの橋の手伝いの件もあり、相河と同じで「時々好き」状態だったのかもしれません。

再婚の知らせというタイミングの悪さもあったのでしょうし、

「隣の芝生は青く見える」状態でいたのではないでしょうか。

だから、お互いを深く知って欲しいのですが、それは第三者が言える事であって…

実際には「面と向かって話し合える」なんて事は

簡単には出来ないのは分かってますから、そう考えるとムズムズしてしまうんです…

 

相河側にも鮫島側にも共感出来るから、悶々と考えてしまう…

 

樫野木にも共感出来るけど、相河にも共感出来るんですよねぇ。

ただ好きだからじゃあなく、紆余曲折あって今の道を選んだという事実が

既にインプットされてますから。

 

相河の立場で考えたら、樫野木の言葉がまるで自分を否定されてるみたいで

「何でそう言うの?」と涙を溜め込むのは凄く分かるんです。

イーーも言えないくらい悲しんでいるのは初めてで…とても胸が苦しくなるんです。

 

先ほども言った冒頭の少年時代のシーンで、こんなやり取りがありました。

義高「亀はどうしたいのかな?」

相河「亀に聞いてくる!」

樫野木の怒りに対して、相河は「どうしたいのか」。

展開がますます読めなくなった今、相河の動きをじっくり見守るしかないんです…

 

 

一方で、鮫島(小林薫)の言動ですが…相河に優しくする事に関しても、

「つまらない」発言に関しても、個人的には特に否定的には捉えていません。

後者の方は、つまらないまでは行かなくても、的確なアドバイスではありますから。

 

完璧にこなせる人ってそうそういないと思うんです。

どこか不器用な部分があって、誤解させるような事もしてしまって、

それでも自分らしく生きている所が本作では「リアル」だと感じられるから

ついついどの人物も応援したくなってしまう。

 

鮫島も本当は、どの先生も後ろから見守っていて、

鼓舞しているような上司のつもりでいたのではないでしょうか。

その中でも相河は新人講師ですから、鮫島の立場で考えると、

ただ「無意識に」人より多く心配してしまっただけなんだと思います。

 

「つまらない」発言については、相河と同じように、

もっと優しく言葉をかけてあげられなかったのかとは考えましたが、

今までにも樫野木を頼りきっている描写があった分、

突然の態度の変化に驚いて、つい…言ってしまったんじゃないかなぁ。

 

擁護してるみたいになっちゃいましたが(笑)

管理力が高くて、平等に接する事の出来る人間がいたら素晴らしい。

上手く出来ない事だってそりゃあある。

これを伝えたかっただけです。

 

 

***

 

ラブの方向に行かないのは何となく分かっていましたが、

育美に対する感情を「好き」でも「嫌い」でもなく、

「面白い」と置き換えるシーンもまた、印象的なものでした。

 

面白がる天才に「面白い」と言われたら、とても嬉しいでしょう。

認められた感じがして。相手側には誤解を生ませる可能性が高いですが(笑)

「あれは好きだという事じゃないの?」「いや、別の次元でしょう?」と

視聴者の考えが広がるタネがまた1つ増えました。

ハッキリ答えを出さないスタイルは、相変わらず好きなんですよね〜。

 

 

次回でいよいよ最終回ですが…好きな作品ほどあっという間。

早く見たい!けど終わってしまう。そういう意味でもムズムズします。

 

今回の感想は個人的な考えがだだ漏れの内容でしたが、大目に見てください^^;

 

 

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