僕らは奇跡でできている 6話 感想(長めです)

 

 

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うーん、面白い。興味深い。視聴後は、毎回そんな気持ちにさせられます。

多分何度も言ってると思うんですが、

周りの変化が徐々に感じられるのが良いんですよね。

講義のシーンでは、いつもの4人が座っている席の後ろに受講者が多く見えてきました。

相河先生(高橋一生)、ますます人気になってきたなぁ。

 

「あっちの世界とこっちの世界が繋がる瞬間」が描かれた6話

 

今回はいつもより、人と人との会話シーンが多かったですね。

大学の先生達と歯科の先生達が集まる食事会は、なかなか珍しい事ですが、

動物のロマンを語り出す鮫島(小林薫)や、

積極的に話しかける丹沢(トリンドル玲奈)を始め、

違う分野の人同士が打ち解け合う様子は、見ていて嬉しいものです。

 

その他にも印象的だったのは、相河と樫野木(要潤)、

相河と育美(榮倉奈々)のシーン。

 

前者の方は、眉をしかめてしつこく聞いてきた「離婚した理由」が遂に明かされました。

以前はやっていたフィールドワークのせいで、

自身の結婚生活をぶち壊してしまったからだそう。だから今まで乗り気じゃなかったと。

でも、この後の相河の言葉がとても好き。

「…樫野木先生のおかげで、思った通りの屋根が出来そうです。」

こう言われて喜ばない人はいないでしょうし、ぐっと距離が近づいたんじゃないかなぁ。

 

後者の方は、育美の事を思うと自然と泣けてしまいました。

育美「私と相河さんは違いますから。相河さんこの前言いましたよね。

   自分にイラっとしたり、落ち込んだりするなら料理教室辞めれば良いって。」

  「確かにそうかもしれません。でもあたしは,辞めたら辞めたでこう思うんです。

   入会したのに辞めた自分はダメなんだって。だから、辞めても一緒なんです。

   いや、それ以上にイラっとしたり落ち込んだりすると思います。」

相河「自分をいじめてしまうんですね。」

育美「自信がないんです。自信がないから、本当の気持ち言えなくて。

   全部自分でぶち壊すような事しかできなくて。
   自信がないから、自分がどうしたいかより人にどう思われるかが重要で、

   こうしなきゃダメ、ああしなきゃダメって、いつも自分を責めて。
   そうやって、自分をいじめてました。」

最初はプライドの高い頑張り屋さんだと思っていたのですが、

前回の「愛されたい」も含めて、本音をさらけ出してみれば、

自分を鏡に映しているような共感しかない存在なんだと気づかされましたね…。

後述しますが、「自分をいじめてしまうんですね。」「本当はどうしたいんですか。」

と簡潔な言葉で相手に寄り添う相河先生も素敵です。

 

「本当は自分が嫌いみたいです。どうしたら自分と仲良くなれるんですか。」

という育美の言葉からの、リスが橋を渡ったシーンには、

思わず「おお〜!」と声が出るくらい感情が高まりました。

今まで心情描写をじっくり描いてきたからこその、カタルシスが心地いい!

気持ちを共有出来た瞬間を「リスの橋」で表現する優しさも良いですね。

 

 

「思い込み」を優しい比喩で伝える作り

 

リスの橋は「繋がる瞬間」の比喩ですが、その他にもありました。

①52ヘルツの音を出すクジラ ②餃子です。

 

①52ヘルツの音を出すクジラ

食事会で鮫島先生が話した事です。クジラの泣き声には特定の周波数があり、

大体は15〜25ヘルツを使ってコミュニケーションをとるのだそう。

でも、30年ほど前に、1頭だけ52ヘルツで鳴くクジラが確認されたという

発表があったものの、その姿を見たものは誰もおらず、

そもそもクジラなのかも分かっていない状態。

鮫島「もしいたらだよ。周波数が違うから、

   他の鯨とはコミュニケーションがとれない。自由なのか孤独なのか、

   そもそも自由とか孤独のない概念に住んでいるのか。」

ここで、相河がジョージと戯れているシーンを重ねているという事は、

52ヘルツのクジラ=相河なのかなぁ…?と思ったり。

鮫島先生が、かつての自分をこう表現しているのかとも考えられますが。

クジラは年々周波数が変化しているみたいです。

 

②餃子

きちんと整った餃子を作る育美と、自由自在に形を操って作る相河。

絶対破けますよ、と言う育美だけど…

私でも、あんなハンバーグを包んだみたいな形にはしない(笑)彼女と同じです。

 

でも、思いっきり作れるのは、家政婦の山田さん(戸田恵子)の存在が大きいから。

「一輝は山田さんの料理でできている」

序盤におじいちゃんの義高(田中泯)が言った言葉。凄く納得した自分がいました。

具が破れちゃった餃子は決して「失敗」なんかじゃなくて。

スープに入れたら美味しいよという、山田さんなりの応用を利かせた優しさ。

1話の子供時代の回想にもあった「割れた茶碗を上手く使う方法」もそうですが、

おじいちゃんや山田さんの支えがあったからこその

「僕は奇跡でできている」なんだなぁと。

最終回に向けて「ら」が入って来る展開になるんですよね。

 

"相河一輝"の設定の上手さと大きな謎

 

今更言うのも何なんですが、

相河先生って発するセリフが多くない所が魅力的なんですよね。

ちょっと間があってからの「帰ります」「僕はジョージの餌やりがありますので」

と会話を自分から切るのもそうです。

相手が泣いているのを見て素直に驚く彼ですが、多くを語らず、

頭の中で完結させようとする部分があります。

 

自分の考えは言うけど、あくまでも押し付けはしません。

だから、その設定が、説教臭くない本作の狙いに繋がりますし、

視聴者も自然と考えさせられる作りになるから面白いんだと思います。

これは個人的な主観ですが。

 

そんな相河先生の一番の謎が「タコを食べない事」。

山田さんが慌てている様子なのが気になりますね。

SNSで見かけたある方の呟きですが、山田さん自身が何かやらかしたのか。

それとも、親が子供の頃の彼にやってしまった事が原因なのか。

思い込みを持たない人なのに、なんで食べようとしないのでしょう。謎です。

 

 

 

次回は、虹一(川口和空)と相河の過去がメインのお話になるみたいです。

「やりたい事がやれてありがたいです」と、目に涙を浮かべて話す

相河先生の様子が気になります。凄〜く楽しみです。

(そして、毎回毎回感想が長くなってすみません^^;

最後まで読んでくださった方はありがとうございます!)

 

 

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