僕らは奇跡でできている 5話 感想(長めです)

 

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さて、いよいよ5話ということで、

一番迷いが見えているであろう育美(榮倉奈々)と、相河(高橋一生)の関係にも、

大きな動きが出てきました。

「願い」というテーマをベースにして、二人の考え方の違いもしっかり描き分けつつ、

ほんの少しずつの成長も感じられる構成に。

 

考える「過程」を楽しむ相河の変化

 

時間を守らない。人の話を聞かない。思う事があればすぐに行動する…

そんな不思議な存在の相河に、成長した事がはっきり分かるシーンがありました。

虹一(川口和空)のお母さんに

「何をしに行くか全部説明すれば、分かってくれるかもしれない」と

お願いしてみようと考えた所です。

3話の事もあって、相手が心配しないかどうかをまず優先するようになったんですよね。

 

他をあげると、チャイムが鳴っても立ち上がらなくなった学生たち、

個人的な研究に手を挙げる学生たちが増えた事が分かりやすい例です。

ただ一方的に自分の研究内容を話すのではなく、グループワークをさせたり、

フィールドワークをしたり、質問を投げかけてみたり。

徐々に「参加型」の授業になってきたので、履修していない学生が「聞きたい!」と

やって来るほど、評判になったのにも説得力があります。

(内容自体も興味深いしね。)

自分を好きになれた相河は、だんだん広い心になっていって

「誰かの事を考えるのも、誰かと時間を共にするのも楽しい」

と思うようになったのでしょう。

 

そんな相河の願いは、今は特に見つからないと言います。

「目の前のことを夢中でやっていくうちに、

 願いが叶って行っちゃうんじゃないかな。だから、いちいち考えないんだよ。」

願いは、また目標とも置き換えられるかもしれません。

鮫島(小林薫)が言っていたように、未来を考えるよりかは、

今その場に起こっている事の「謎」を考え続けるから、

いつも伸びやかに、楽しそうに過ごしているんだろうなぁと。

嫌いだった自分の時は、先生に注意されて

「大人しくしなきゃ」「周りと同じにならなきゃ」という相手からの願いに

囚われていた所もあるのかも。

 

その答えが別に正解じゃなくたって良い。 解釈をする事がただ好き。

歯医者のイベントで子供たちに人気だったのも、

「そういう考えがあったんだ!」という意外性が強く響いたからだと思います。

6+4+9+1+8=28本で人間の歯の数になるって発想は、確かに面白かったし。

 

 

良い方向に「完結」させたいと思っている育美の変化

 

一方で、相河と正反対な性格なのが育美です。

いや、私はむしろこちらの方が共感出来るんですよね。というか結構近い。

思い通りに行かないのが悔しい。相手と比べて否定してしまいがち。結果を求めがち。

「正しい」事にとにかくこだわる。

 

 先ほども書いた、虫歯イベントの例が顕著です。

相河「僕の考えたことを話しても良いですか?

   どうして虫歯っていうのかずっと考えていました」
育美「それって正しいかどうかわからないですよね?

   そういう知識を子供たちに伝えるのは困ります。

   私が主催した会で間違ったことが伝わったりしたら…」

 「思っただけで"正しい"かどうかはわからないですからね」

(数字を足すと28本の説明で) 「親知らずを入れたら32本ですからねー」

解釈よりも、本当に正しい事を伝えたいのが育美。

一人で頑張った実例と紙芝居も「知ってるー」と子供に言われ、

何だかちょっと悲しそう。彼氏の事もあって、ますますしかめっ面が増えてきました。

 

「私、頑張ってるのに…」この考えが出てしまう事からしても、相河とは全然違います。

でも、正解を教えてあげるのも、夢のために努力しようとするのも、

一つの考えなんですよね。

丹沢(トリンドル玲奈)が「上から目線」と言っていましたが、

ただ周りより繊細なだけ、不器用なだけなんだと思います…

 

そんな彼女だからこそ、終盤で「愛されたい」と本音を漏らした時には、

少し肩の荷がストンと落ちたような、純粋に嬉しい気持ちになったんです。

「歯を抜いて空いた穴は、歯で埋めたいです。他のもので埋めたくありません。」

相河のこの言葉が強く沁みている姿が印象的でした。

 

嫌いになりかけていた自分に、ほんのわずかでも訪れた光。

「会いに行こうよ 会いたい自分に」の主題歌の歌詞の入りにも、

またググッと来ちゃいましたね。

育美の事は、素直に応援して行きたいです。

 

 

「作りません」の本当の意味

 

「願い」がテーマな今回は、新庄(西畑大吾)の変化もじっくり描くために、

前回の続きも取り入れてくれました。

相河が言うに、「主語が自分ではなかった」からだそう。

 

「願い」がない相河、「願い」が強い育美なら、

新庄は「願い」に対して迷っている状態。

就職も人生の分岐点の一つなので、将来について考える年頃ですよね。

相河の言った事について、悶々と考えて叫ぶ姿を丁寧に映す所も良かったです。

「相河みたいになりたい…」と呟いた次回も気になります。

 

 

 

育美も本格的に物語に絡んできました。

正直な所、恋人関係にはなって欲しくないなぁと思っているんですが、

どんな展開になるのかは楽しみです。

 

 

そうそう…今回のチェインストーリー。

「アーント!交尾しよっ♪」で思いっきり噴いたわ!w

ペ・ヨンジュン、地味に似てるのがまた…(笑)

 

 

↓次回の感想はこちら↓

rincoro-ht.hatenablog.com

 

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