僕らは奇跡でできている 1話 感想(長めです)

 

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面白くなりそうな気がします。

そう感じさせてくれた初回でした。

 

前半までは、相河一輝(高橋一生)がいかに変わった主人公かというのが、

大学や家での日常を通してじっくり描かれました。

月9と同じように(いや、それ以上に?)役者によるサービスシーンを

メインに盛り込むという印象で、

ここまでは未だ話の本質が見えてこない状態だったものの…

高橋一生さんから溢れ出る「独特でもあり、癒されもするオーラ」、

そして深い声が主人公の不思議さにぴったりハマっていて、

次はどんな発言をするんだろう?どんな行動をするんだろう?と

ワクワクしながら見ていたので、あまり間延び感はなかったですね。

 

で、「こういうドラマなんだな」と徐々に明確になって来たのが…

①少年の描くウサギとカメの絵

②講義で発表する勇気が出せないメガネの大学生

③独創性の高い少年

④森の中にある大きな樹

という流れ。

 

 

①少年の描くウサギとカメの絵

は…この物語の本質となる導入ですね。

 

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寝ているウサギ。そんなウサギに声をかけないカメ。

遠い道のりの先にゴールが見える。…という絵。

 

少年「このカメには謎がある。」
相河「どんな謎だ?」
少年「カメは寝ているウサギに声をかけなかった。倒れているかもしれないって、

   どうして思わなかったのか」
相河「なるほど、それは大きな謎だな。」
少年「謎を解き明かせ。」

 

「普通」だったら声をかけるのに、なぜそうしなかったのかに疑問を持った少年。

固定観念に囚われない未知なる答えがあるんじゃないかという

作品独自のキーポイントのように感じられました。

 

 

②講義で発表する勇気が出せないメガネの大学生

 

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は、この子。尾崎桜(北香耶)さん。

真面目に授業を受けていない学生が多い中、唯一先生の話を聞いていて、

自分の考えをノートにまとめてはいるんだけど…

自信がないのか中々発表できず、

グループでの時も他の学生に任せてしまう、そんなシャイな女の子。

最初見た時、私と似ているなぁって。

(ぃゃ、自分の考えを伝える勇気が出しにくいっていう点でね(笑)

数人の中で意見出すのって本当に苦手で…)

彼女の性格を現す描写を見ていて、凄く応援したいと思えたシーン。

 

 

③独創性の高い少年

その流れからの、ウサギとカメの絵を描いた少年の話へ。

カメがなぜウサギに声をかけなかったのかという理由を思いついて、

お母さんに嬉しそうに言おうとするんだけど…

「そんなくだらないこと言ってないで宿題出しなさい」だもんなぁ。

 

②③と続けて、身近にいる人物に感情移入させる作りを持ってくる事で、

どんな人にもその人なりの「良さ」を見出し、

じっくり寄り添ってあげる温かいドラマなんだと確信したシーンでした。

 

 

④森の中にある大きな樹

歯科医の水本(榮倉奈々)とその周りの様子もちょっと描きつつ…

からのこの大きく太い樹。

 

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もうこれは超個人的な主観なんですけど、

「伸び伸びと育って良いんだよ。自分らしさを大事にする事は、

いつか自分に自信が持てる誇りになるんだよ。」

と語りかけてくれているような気がしました。

 

多分、自然らしさ全開の緑の風景も、この大樹も、

このドラマの象徴なんだろうなって。

のほほんとしつつも優しい作り。

段々心が浄化されていくような気持ちで、ちょっと泣きそうに。

 

 

相河「先生はウサギっぽいですね」

水本「あの、こう見えてウサギじゃないんですよ。

   私、意外と努力型?器用じゃないけどコツコツ頑張る

   タイプで、どっちかっていうとカメですね」
相河「こつこつ頑張るのがカメなんですか?」
  「物語の解釈は自由ですから」

相河「カメは全然がんばっていません。競争にも興味がないんです。

   カメはただ道を前に進むことが楽しいんです」
  「地面から数センチの世界。その素晴らしい世界を楽しむ

   ためだけにただ前に進むんです」
  「カメの世界にもはやウサギの存在はなく、寝ているウサギに

   声をかけなかったのもそのためです」
水本「じゃあ、ウサギはどういう解釈ですか?能力があるのに油断して負ける。

   違いますか?」
相河「ウサギはカメを見下すために走るんです。自分は凄いって証明したいんです」

 

おそらく、歯科医の水本は、無意識的にプライドが高い人。

掛け持ちするほど仕事に熱心で、学んできた物、培ってきた物が

自分の自信や収入にも繋がって、

今の「水本育美」が出来上がったんでしょう。

「無意識的に」と言ったのは、ご褒美だから♪というほんの気持ちで

ディナーで高い料理を次々選ぶシーンがあったから。

(本人は悪気ないんだろうなって。)

 

それに対して、彼氏は相手と自分を比べてしまいがち。

衛生士の丹沢(トリンドル玲奈)が言っていたように、

「自分の力で彼女を幸せにしたかった」…そんな人なんだと思います。

だから、「俺の事下に見てんだろ?」と言ったのも何となく分かりますし、

相河も水本の性格がぼんやりと読み取れたから、ウサギと例えたんじゃないかなぁと。

(でも、水本は前から歯科医だったのに、なぜ付き合っていたのだろう?

最初は収入の違いで、モヤモヤすると思っていなかったんでしょうかね。)

 

 

…というわけで、もう締めます。 

相河というキャラクターにワクワクし、共感もし、

視聴後に優しい気持ちになれる不思議な時間でした。

 文章が長いわ!!って事は、私の好みにドンピシャなんだと思います(笑)

 

「普通」「普通じゃない」の違いって何だろうか…を真摯に描く意欲作。

主人公の独特なキャラで好き嫌いは分かれるとは思いますが、

「カメもウサギも少しずつ変われるんだよ」と、

一人一人の変化をじっくりと見守るドラマになりそうです。

次回も楽しみです。

  

 

↓次回の感想はこちら↓

rincoro-ht.hatenablog.com