僕らは奇跡でできている 2話 感想(長めです)

 

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登場人物たちの日常や、僅かに変化していく様子をじっくり見守り、

大自然に癒されながらも、最後には良い意味でモヤっとして考えさせられる。

この作りは本当に上手いです。

前回同様、特に説明はなく、やり取りだけで相手の気持ちを汲み取る形でしたが、

今回は主に、相河(高橋一生)について紹介するような描写が減った分、

この作品の狙いがググッとまとまって来ましたね。

 

ウサギとカメに変わって、

2話で取り上げられたテーマは「リスがなぜ向こう側に行こうとしないのか」

内容としては、真ん中にある人工で作られた道を通らない…というもの。

虹一(川口和空)との話し合いで、「木と木を繋ぐ橋を作れば良い」という

答えが出たのですが、その後での水本(榮倉奈々)との会話がまず印象的。

相河「リスたちにも何か思い込みがあるかもしれません。」

(リスが向こう側に行かない理由や答えが出るまでの過程を話す)

水本「要は、リスに道を渡らせたいってことですよね」

相河「いえ、渡るか渡らないかはリスの自由です。

   ただ、向こう側に行ける方法があるっていうことをリスたちに見せるんです。
   結果として渡ってくれたら嬉しいですけど…いえ、ものすごく嬉しいです」

あくまでも、相河は「渡って欲しい」んじゃなくて、

「こういう方法もあるんだよ」と提示するスタンス。

 

この会話で感じ取れたのは、自分がこうしたい、相手にこう思われたいと思って

した行動でも、受け取り方はそれぞれ自由なんだ…という事。

日常でも恐らく、割とこういう経験はありますよね。

もし自分の狙い通りにならなかったとしても、別に自分を責める必要はないし、

相手も何も悪くない。

良かれと思ってやった事が「たまたま」上手くいく事だってあれば、

「たまたま」失敗してしまう事だってある。

入れ込み過ぎず、だけど自分の考えをさりげなく伝える。

それで良いんだ…と背中を押してくれているような気がしました。

 

 

そして、相河の過去をほのめかす発言もありました。

水本「良いんじゃないですか。リスたちと仲良くやれば」
相河「僕は人となかなか仲良くなれませんから。
  「でも、一番仲良くなりたい人と仲良くなれたからそれで良いんです」
  「昔は、その人のことがほんっとうに大嫌いで、仲良くなろうとしても無理で、

   とにかく嫌いで、毎日泣いてました」
水本「毎日泣くほど嫌いって」
相河「今はもう大丈夫です。」
水本「良かったですね。仲良くなれて。その人もやっぱり動物、好きなんですか」
相河「はい。僕です」

  「昔の僕は僕が大嫌いで、毎日泣いてました」

冒頭で、相河が小学生の時に、授業中にハエばかり気になってしまって

立ち上がったら先生に怒られた…というエピソードが描かれてましたが、

それにもリンクする事でしょうし、

多分、虹一くんと同じような生活を過ごしていたのかもしれません。

 

親にも怒られ、先生にも怒られ、自分は何で言われた通りに出来ないんだと

責め続ける日々。

その時に支え続けてきてくれたのは、おじいちゃん(田中泯)。

だから、「イーー」のおまじないだって大切に胸にしまってあるし、

おじいちゃんといる時は、今でも少年のような無邪気さが相河から感じられるのかも。

「昔の僕は僕が大嫌いで、毎日泣いてました」という言葉は、

私自身の過去を思い出すくらいには、心にグサッと来ました。

 

 

水本をウサギに例えた事を「覚えていない」と言う相河。

それと同じように、真意は明らかにされず、また次回では癒しの雰囲気に

戻っているのかもしれません。

このドラマはあくまでも「物語の解釈は自由」な作品。

一つでも共感できる部分があれば、とことん気になって、

視聴後は暫く考えさせられてしまうような「余韻」を残す作りです。

 

前回グループになった青山(矢作穂香)たち4人が

徐々に仲良くなってきているのも、

履修する学生たちの心が純粋になってきているのも、個人的には嬉しい限り。

動物と会話しているフィールドワークの様子もとても印象的でした。

 

次回、「生き物は、必ず死にます」と相河が言うシーンがありましたが、

どんな展開になっていくんでしょう。

じっくり、ゆっくりと、楽しみにしながら来週を待ちたいと思います。

 

 

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