サギデカ 2話 感想|信じたい物だけを信じるから、善も悪も生まれる

 

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定年退職になっても、認知症になったとしても、

誰かに必要とされている事で得る生きがいを求め続ける元高校教師と。

嘘泣きで相手を詐欺の罠にかける事を生きがいとしている、成りすましの教え子。

どちらも、「こうなったら良いな」という希望があって、

それを信じて生きてきた。

今回はそんな「信じたい物だけを信じて生きているから、

詐欺に騙される人も騙す人もいなくならないのだ」を提示した回だったと思います。

 

ゲストである伊東四朗さんに、認知症を患ってる元高校教師という設定は、

嫌なほどピッタリはまっているように見えましてねぇ。

自分が犯罪に加担したのも分からず、「この歳になってもまだ役に立てる。俺は幸せだ〜!」

と屈託なく笑う姿に心が痛む痛む…。

こんな姿を見てしまうと、純粋な気持ちを利用する詐欺師は

やっぱり許せないって思いますし、

早く逮捕されて日常世界から消えてもらいたいとも思えてしまいます。

 

前回の泉ピン子さんも、今までならちょっと意地悪な姑役のイメージが強かったものの

本作ではちゃんと「被害に遭われた人」に映って、今でもテレビで見かけると

あぁ…(泣)と感情移入したくなっちゃう程引きずってますし。

で、今回の伊東四朗さんといい、筒井真理子さんといい、

騙す者・騙される者として各々徹底された演技をされているなぁと。

そこは、流石のベテラン役者といった所。

 

筒井さんに関しては、本当に憎たらしい詐欺師役を上手く演じられてまして、

極め付けは…煎餅を冷めた表情で食べるシーン!

その後に今宮(木村文乃)が同じく煎餅を食べるシーンを映す事で、

彼女が如何に心のない女性かというのを視聴者に想像させる

演出の流れもお見事でした。

そして終盤の、北村(伊東四朗)に涙を見せる姿…

あれが演技だと思うと、ゾッとしますね。

助けたいと動いてしまうのも無理ないです。高確率で、騙される…。

 

時間推移の描写がなくなって、前回より見やすくなったように思いますし、

本作は被害者側と同じ年代の人々にとっては

考えさせられる啓蒙的な作品になるんじゃないかなぁと。

それくらい、両者の些細な心情変化がよく描かれています。

 

一方で、縦軸の方。

謎の踊りをしている間に金がポンポン入ってくる所を見ると、

田中泯さんが首魁なのかな…?と思いますが、

廻谷(青木崇高)も詐欺に加担してるんじゃないかと疑っております。

ベンチャー起業、新薬開発、資産額は280億…その大金は詐欺に手を染めて

仕入れたお金でもあるのかと、良からぬ事を考えてしまう。

今宮の祖母・しのぶ(香川京子)が4話辺りで騙されそうで不安です。

そして加地(高杉真宙)の方も弟子になるのか何なのか、怪しい動きを見せていて…

伏線がいくつか撒かれた作りでもありましたね。

 

 

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