腐女子、うっかりゲイに告る。4話 感想|知らず知らずのうちに誰かを傷つける時がある

 

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はぁ…最後の畳み掛けがえげつない回でした。

 

序盤で「僕たちみたいな人間はどうして生まれてくるのかな?」という

マイノリティの立場における救いのなさを描き。

中盤で 素顔の自分を見てくれる恋人の存在がいる事の喜びと、

もしかしたら…なほんの少しの希望を描く。

かと思ったら終盤。親友の死と誠(谷原章介)とのキスを紗枝(藤野涼子)に見られた件で、

純(金子大地)の心を抉る。抉りまくる。

 

ファーレンハイトの死と遺言を知り、

やっぱりゲイを受け入れてくれる世界はないのだと痛感させるかのような、

"孤独"を表現する回想が走馬灯のように駆け巡ってくる演出の秀逸さ。

誠とキスして「僕にはこれが普通なんだ」と言ってしまう程の絶望と半分の諦め。

このシーンだけでも十分胸が苦しくなる心地なのに、

「良いじゃん別に。好きなんでしょ?ホモ。」は落とすにはパワーワード過ぎるなぁ…。

まぁ、紗枝からしてみたら異性同士での恋愛は「非日常」でしかなかった訳で、

現実にあるとは思いもしなかっただろうから、つい率直な言葉をって事でしょうが…

何気ない言葉と小さな意図は、時にマイノリティ側にいる誰かを

知らず知らずのうちに傷つける。

紗枝だけでなく、純や紗枝の友人の3人を通してそう伝えていった回でした。

 

純は「もう自分は"普通の"カップルでいるのだ」と当てつけるために、

わざと誠の言ってた温泉宿を選んだ。遭遇する事も想定内。

誠も中々脇が甘いですが、長い付き合いなら動作や話ぶりで恋人関係なのだと

それを見た女性なら、ましてやBL好きの紗枝なら特に察してしまう訳で。

何とか普通の自分になりたいとする気持ちは分かるけど、当てつけのために

紗枝を利用したのはちょっと可哀想だと思ってしまいました……

と言いたい所ですが、今までの描写を見ると簡単に悪いとも捉えられないのがまた辛い。

 

紗枝の友人の壁ドンを要求する件は、ちょっと無神経ではありました。

ゲイやレズでない私でも、純と同じようにやられていたら不快に感じてしまうかも。

でも、悪気もなく盛り上げよう自分を満足させようとする人は、

どこにでもいるのかもしれませんよね。

そうやって、マイノリティが窮屈になる理不尽な世界が出来上がる。

だから純は普通になりたいと願っていた。

…だけど、どん底に突き落とされてしまった。

 

次回も息が詰まる展開の連続だろうなぁ。

飛び降りシーン。で、何故かクラス中に純がゲイである事が知られてる。

話の進みが早いですが、その分だけ、彼がどんな答えを出すのかも…まだ読めません。

 

 

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