監察医 朝顔 4話 感想|「命とは何か?」に正解はない。

 

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構成面において「事件パート」と「プライベートパート」が

少々分離している印象は前からありますし、

制作側が伝えたいのは事件自体の面白さではないんだろうというのも

分かってはいるのですが…

今回のに関しては、真相が「サイトが閉鎖された腹いせに〜」というセリフだけで、

しかも主人公が現場で活躍していないシーンで明かされてしまったのが、

ちょっとだけ勿体なかったかな?と。

(まぁ、朝顔上野樹里)はガスにやられて入院したので、

ここは致し方ないとは思いますが)

 

いつにも増して、自殺か?それとも他殺か?や、4人の共通した死に方、

薬を扱うネットの存在、胃に大量のマトリョーシカ式カプセル…など

ミステリー的な要素を絡めて展開していった分、

どうなるか?と興味をそそられた途端にぶった切られてしまった感覚を受けました。

やはり、事件パートももう少し重要視して欲しいという

ワガママが出てきてしまいます…(泣)

 

しかし、今回の犯人や自殺していった若者たち、

そして、平(時任三郎)と義父・嶋田(柄本明)の対比、

序盤で平に救ってもらった形見など、

様々な人物の価値観や考え方の違いを浮き彫りにして

「自分にとって命とは何か?」はそれぞれ違うのだ、と提示してみせた作りは

とてもよく出来ていたと思います。

 

ネットという自分だけの生きがいを失った腹いせから、

貴重な命を「テロのための道具」として軽く扱ってしまう犯人。

「快楽死」を甘く見る自殺志願者たち。

風化したと言われたとしても、それでもまだ大切な人を探し続ける平。

「もう8年前の事だ」と平の行動を快く思わず、踏ん切りを付けたい人もいれば、

逆に「もう8年前の事だとしても」今でも夫の帰りをどこかで待ち、

形見を見つけてくれた事に喜びを噛み締める人だっている。

「命とは何か?」に対して正解はない。

答えも1つではない。皆それぞれが自分なりの答えを求め続けるしかないのだと…

 

けれども、ある日突然亡くなる命もあれば、突然生まれる命もある訳で。

生死のバトンタッチはこうして連鎖していくのだなぁとも痛感しました。

仕事に真摯に取り組んでいる朝顔と桑原(風間俊介)の子ですもん。

幸せになって欲しいです。応援したい。

 

子供が出来て嬉しそうにするも、二人から離れた途端ほのかに寂しげな表情をして

「いつか俺の元から離れていくのだろうな…」という哀愁感漂わせる

時任さんの演技の機敏さ。

朝顔と嶋田が通話するシーンで、震災が起こった事実を"受け入れるしかない"と

考える嶋田は目線を下に向けるのに対し、

父に好きにさせてあげて欲しいと考える朝顔は「きっと命の欠片が見つかるはず」という

兆しの意味合いで目線を上に向ける…

それでも電話を切った後は「やっぱり見つからないのかな」と

ほんの不安な心境を垣間見せ、目線を下に向ける瞬間をも捉えるカメラワークの細かさ。

こんな感じで、今回も印象に残るシーンがありました。

(2つ目、説明が長くなってごめんなさい(汗)工夫されてるなぁと思ったもので。)

 

正直、ドラマ自体の作りが完璧だとは思いませんし、

視聴者によっては評価が分かれる傾向にありますが、

私は好きです。久々に良い月9です!

 

 

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