ここ最近は冤罪を晴らせないモヤっとエンドが多かったため、
ようやく心が晴れやかになるような結末で終われたのは良かったです。
秋保(藤木直人)も長い苦しみから解放され、
民間の科学捜査機関を新たに作ろうと試みるまでに。
ただ、ハッピーエンドにするがために、色々な要素がちょっと粗削りになってたのは
気になりましたけどねぇ。
別府(杉本哲太)を始めとした事務所の面々が
一丸となって黒川(坂口健太郎)に協力するシーンは、
今までで「黒川の直向きな姿を見ての変化」が丁寧に描かれていたらグッと来ていたはず。
あとは、最後までワンオペ検事スタイル&自由な法廷という
肝心なシーンでのリアリティさが欠けていた事。
自分の想いをその場でベラベラ喋り過ぎた事。
前回で対立してた秋保とは、あっさり和解してしまった事。これらが挙げられます。
最も惜しいのは、本作の見せ所であった「大規模実験」が、
黒川の相手を守り抜く姿や被疑者の抱えた苦悩を描こうとするがために
徐々に存在感を薄めてしまった事。
本来は冤罪を晴らすための材料として扱われていたでしょうし、
それをもって「本作なりの独自性」を生み出そうとしていたでしょうから…
何を一番に伝えたいのか、表現したいのか、ブレブレになっていたのが残念。
秋保と和解した後に実験すると思ったんだけどなぁ。
序盤の和倉(川口春奈)のキャラ変も含めて、色々勿体無い部分はありましたが、
それでも後半になってから見応えある話が見られたのは嬉しい限り。
坂口さん演じる黒川の真摯なキャラクターも好きでしたし、
分かりやすく恋に持って行ったり劇伴で泣かせようとしたり…という意図的な演出が
なかったのも好感度は高いです。
そして、主題歌は「ドラマの色を決める」重要な存在を担っている事を、
本作を通して改めて痛感出来ました。
苦い結末に毎回余韻を残してくれるよう。やっぱり、曲のチョイスって大事ですよね。
(放送までに「月曜から夜ふかし」を見ていたんですけど、
あのハチのシーンにマドンナの主題歌が流れる…という
ミスマッチな組み合わせを見てからだと余計にね(笑))
日テレの土曜枠らしからぬ大人な雰囲気で、最初は慣れない感じでしたが、
本作なりのメッセージはきちんと残せたんじゃないかと思います。
「僕は死体の冷たさを知りません」「でも、僕は彼が生きていた時の暖かさを知っています」
秋保と交わしたこの黒川の言葉も、胸の中にしまっておきたいです。
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PS. 早めに「イノセンス」の感想をあげておいたのは、
明日は午後から夜まで用事があるからでして…!
なので「絶対正義」の方は、出来たら翌日の午前中か、ダメだったら
深夜かその次の日になると思います。一応ご連絡。よろしくお願いしますm(_ _)m
あ、「二つの祖国」はSNS上での評判があんまり良くないみたいなので、
多分スルーするかと…。