昭和元禄落語心中 5話 感想

 

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「相変わらず臭いな」最後の再会シーンに思わず気持ちが高まる。

やっぱり、これは戦友同士の物語なのだと。

 

みよ吉(大政絢)にも助六(山崎育三郎)にも捨てられ、さらに師匠にも捨てられ、

始めて手にした場所なのに誰もいないという寂しさ。

今まで、助六の落語を聞きながらライバル視していたり、

自分が作る居場所を模索したりするシーンがじっくり描かれていたので、

菊比古(岡田将生)のカタルシスが強く伝わります。

 

他のドラマでもありましたが…大きくなったその先には多分、

常に何かと闘う日々が待っている。

下にはもう戻れない。失った分だけの覚悟の大きさが、

菊比古にとってはとても重く感じたでしょう。

そんな彼は、ずっと助六に対してモヤモヤしていて、

また一緒に落語がしたいと思っていて。

「もう一度助六を、助六の落語を取り戻さなくてはならない。

師匠を失った今、助六の落語が私にはどうしても必要だったのです。」

この言葉がとても心にしみました。

「あのバカの悪口を言っても良いのはあたしだけです」から、

自分が助六の事を誰よりもよく知っている所が強く感じられるのもまた良い。

 

師匠とのシーンも印象的でした…。

先代助六、八雲の謎は、師匠の過ごした生活と繋がっていたんだなぁ。

今の菊比古と助六と同じように、当時は7代目の座を狙っていたと。

ちょっとした伏線回収もありつつ、

長い年月を共にした師匠に敬意を示す菊比古の真摯な姿に魅せられつつ。

ここでも貴重な時間を十分に堪能しました。

 

菊比古の落語「今夜はこの世のお別れ」と語っている所を、

彼の元から離れた者同士の、助六とみよ吉が一緒にいる描写に重ねる演出も粋でしたね。

 

未来の二人の様子をもう知っているので、

早く見たいような見たくないような…複雑な気持ちですが、

次回はまた物語が大きく動きそうです。

裏被りで視聴率が低いの、本当に勿体ないなぁ。よく作り込まれているのに。

 

 

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