自転車屋さんの高橋くん 7話 感想|2人の関係性に点滅信号が?

 

 

祖母・清子(大澤洋子)と山本(瀬口黎弥)のエピソード…

30代手前か30歳の子供に対して、両親が結婚を望む話は何度も見てきたけれども、

おばあちゃんが…っていうのは珍しいですね。

おばあちゃんの立ち位置からしたら、

孫がすくすくと育っているだけで十分微笑ましいはずなのに。

まぁ、孫が可愛いからが故の思いやりなんでしょうけど。

でもねぇ…「両親」じゃなくて「おばあちゃん」から言われるからこそ

中々しんどいものがあって、

実家を出るまでずっと一緒に住んでいたのか、

両親どちらかの実家に遊びに行く時だけ会っていたのかは分かりませんが、

教育も学費も将来の事も何もかも面倒を見てくれていた両親と違って、

おばあちゃんとなってくると「子供の時に可愛がってもらった記憶」がこびりついているために、

物事をガツンと言いづらい山本の気持ちにも共感出来てしまうんですよね。

 

世代が前であればあるほど、多様性に触れる機会がなかった事から来る発言にも

かなりキツいものがありました。

「良いお医者さん知ってるから。必ず治してくれるから」には、

率直な想い過ぎて、ひえぇ…ってなりましたね。

自分には納得しがたい・受け入れられそうにないからって、

自分の望む形へと当てはめようとしてしまうのは、

その世代だけとは限らず、どの人にとってもあるあるだと思います。

そんなシリアスな雰囲気の中、隣のテーブル席でずっとそばにいてくれた

遼平(鈴木伸之)の存在が救いでした。

 

遼平って…今更なんですけど、"物理的な"距離感は確かに近いものの、

"心理的な"距離の取り方には長けているんですよね。

自分がどのタイミングで介入して、どのタイミングで一歩下がるべきか?の

加減を分かっているというのか。

そこが魅力的だなぁと思ってます。

 

例えば5話での、たもつに会わせるために

朋子(内田理央)を実家に送り届けたエピソードにしても、

聡子(濱田マリ)との関係性を既に聞いていた分、

途中までは心配そうに後ろから見守っていたんですけれども。

聡子が泣いている朋子に近寄って、肩を支える様子を見た途端、

「もうこの2人なら大丈夫かもしれない」と確信したかのように

外に出てもらい泣きをする…というのには優しさを感じさせたのです。

 

そして今回では、山本が清子の手をとって向き合おうとしているのが分かった途端、

少し体の向きを変えて1人ジュースを飲んで、

あくまでも「1人で過ごしてますよ」という体(テイ)を作る。

でも、体を作りきれていないっていうのがまた良くて、

ジュースを多く口に含んで、その後は減っている様子が見受けられないのも、

席を外そうとしないのも、

山本が無事に最後まで自分の言葉を伝えられるかどうか、

彼の立場になって内心ドキドキしている遼平の気持ちが伺えるようで

印象に残るシーンでした。

 

唐突な「こうちゃん」呼びも、

張り詰めた空気を和らげてくれる良いアクセントになっていましたし(笑)

そんなギャップがあるから、朋子が惹かれてしまうのも頷けるんですよねぇ。

でも…今まではサブタイトルが「パン子、〜」から始まっていたのが、

今回だと「遼平、〜」になっていたのと、

後半の遼平のエピソードに朋子が絡んでいない辺りに、

2人の距離が離れつつある"サイン"を感じ取れてしまって、切ないものがありましたね。

中華屋からの帰りで、2人を引きで撮るカットが差し込まれていましたが、

その隅に映っている照明が1個だけ点滅していたのが…

まさしく2人の現状を物語っていたとも思います。

 

朋子は左の方向へと歩き、遼平は右の方向へと歩く。

引っ越しと「プレゼント何しようかな〜」で、考えている事も全然違う。

最終回では、このすれ違った状態を解決するのはもちろん、

山本の変化を目の当たりにした遼平が

父と再び向き合おうとする話も描かれるんでしょうし、何やら朋子の父も出てくるようで…?

30分でまとまるのかどうかはちょっと心配ではあるんですが、

果たしてどんな着地に収まるんでしょうかね。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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