凪のお暇 1話 感想|黄色がラッキーカラーの主人公

 

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凪(黒木華)のように仕事も恋も何もかも捨てる〜!というのは、

現実では中々したくても出来ず、

「フィクションの世界だからこそ」彼女の生まれ変わった人生のスタートを

温かく見守る…という非日常的な作品ではあるのですが、

私自身も、凪まで行かなくても、何かを放っぽり出した過去がありましてね…。

当時の自分を重ねてしまって見てました。

女性との関わりあるある、誕生日に来るメッセージあるあるも含め、

ちょっと他人事には捉えられず、グサグサ突き刺さる初回でした。

 

前半部分まではそんな「あるある」がぎっしり詰まった感じですし、

周りがとにかくクズだらけで、早く救いが欲しいなぁ…と望んでいた所、

凪が元彼の慎二(高橋一生)にはっきり告げる件りまでやってくれたので

視聴後の爽快感も良く、展開もテンポ良く構成されていて、

見やすい作りになっていたと思います。

彼女の思い切りっぷりに合わせた、伸びやか〜な劇伴も心地良い。

 

周囲の反応を伺いがちな主人公という事で、

「空気は読むものじゃなく吸ったり吐いたりするもの」と考えるシーンがありましたが、

それは固定観念の払拭」のテーマにも踏み込んでるんじゃないか、という気がしました。

ゴミ屋敷に住んでるだろうと思い込まれてた吉永(三田佳子)が、

実はお暇生活を満喫する、凪にとっては憧れの先輩的存在であったり。

凪を不審な目で見ていた小学生・うらら(白鳥玉季)は、

実はパーマ頭を触りたいだけだったり。

何もかも面倒臭そうな性格っぽい見た目のレジの店員が、実はただの緊張しいだったり。

 

空気を読む事はつまり、こうしたらこうなるだろうから、

周りの機嫌を損ねないようにしなきゃなって「相手=怖い」と予防線を張る事と同じで、

そしたら心を打ち解けあえない関係のままになって。

ありのままの自分でいて、思った事も遠慮せず伝えられれば、

相手が実は優しそうな人だったという新たな発見も見つかるかもよ?というのも

さり気なく提示されていたように思います。

 

その点で考えれば、慎二もただのストーカーちっくなクズ男ではない感じ。

凪の元を去った後に号泣という事は、彼も彼女と同じで「周囲を気にしい」な

性格なんだろうなぁ…と。

常に自分の前では素敵な女性でいてくれる凪に対して、甘えてしまっていたのかも。

最初は怖い!と思いつつ、でも彼女を見つめる目線の先には

何か"含み"があるんじゃないかとも思いつつ…

視聴者の想像力を掻き立てさせるような「中間」の演技をされた高橋一生さん。

流石の一言でした!

この人が今の状態に至るまでの背景を知りたいと、興味深いキャラクターに映りました。

 

物語全体で言えば、予告映像で感じた 

キュンキュンさせるラブコメテイストに寄らないかどうかは多少不安ではあるものの…

(今回のSNSでのTLの様子を見るに、最後のハグなど

今後そこを狙った要素が増えないかどうかは、まだ不安ではあるものの)

とりあえず初回は、重さと良い意味での軽さのバランスがとれていた印象でした。

 

それにしても、最近の金10枠のドラマは、

原作の持つ世界観を作り手が大事にしているのがとても伝わりますね。

その点、安心して見られます。

キャスティングに関して、原作ファンが若干不満そうな噂はチラッと見かけましたが、

キャラの人柄を徹底的にマスターしつつ、でも自分なりの表現で演じつつ…

このチームで実写化成功させてみせるぞ!という

意気込みが感じられたんじゃないかと。

原作ファンは、どう映ったかな?

 

期待度高いドラマがまだ4作品も控えてますが…

これと「ルパンの娘」と、次点「ボイス」が楽しみな今期であります。

 

 

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