放送が終了してから1週間以上経っている上に、まだ録画が数話残っているので、
もう1話分飛ばしつつ、簡単感想で書かせていただきます。
「今期放送されたドラマの感想を2〜3本書く」という目標を達成するために…!
7話(2024/9/3放送分)
時間は有限で、不変というものは存在しない…を突きつけられる回。
パパに「死んでまえ」と言ってしまった後悔を払拭出来て、ようやく地上に戻れたかと思いきや、
今度はママに命の危険が迫ろうとしている。
あんなにハキハキしていたおばあちゃんも、認知症を患いかけている。
私の両親はどちらも運動を活発的に行っていて、幸い元気な方ではあります。
でも、母は食が細くなってきたなぁとか、脚が痩せてきたなぁとか、
父は白髪まじりの髪になってきたなぁとか…
いつまでも変わらないと思っていても、ふとした瞬間に時の経過を実感するんですよね。
そうなると次は、この何気ない日常をあと何年送れるのだろうかと考えて
胸がキュッとなる訳です。
だから、車内での母とのやりとりを思い出して、どうか死なんといて…と強く願い出す
七実(河井優実)の気持ちにはとても共感させられました。
冷めたココア缶で"時間"を表現する脚本・演出にもやられました。
七実とひとみ(坂井真紀)は「うちの家族選ばれ過ぎやろ」と言っていたけれど、
長い長〜い年月をかけて訪れる出来事が、岸本家はたまたま短いスパンで
一気に訪れているだけなんじゃないかという気もします。(というか、そうであって欲しい)
お見舞いにはまさかの、小野寺(林遣都)だけでなく、
二階堂(古舘寛治)と末永(山田真歩)も駆けつけてきてくれました。
小野寺って、変わり者…と言うと怒るでしょうから言い換えるとして(笑)
どこまでもゴーイングマイウェイな人かと思っていたら、意外と臨機応変に対応していて、
かけて欲しい言葉をかけてくれる気遣いの人なんですよねぇ。
他の2人もこうして今でも交流が続いているのは、
七実の、ユーモアでどことなく憎めない人柄あってこそでしょう。
7話の時間軸は2022年なので、本作が実話ベースなのも踏まえると、
きっとコロナ禍も絡んでいるだろうと想定します。
で、その上で書きますと…コロナ禍はたくさんの悲しい出来事を生んだ一方で、
唯一の良さとして、リモートという選択肢が増えて、
ネットさえあればどこでも繋がれる社会にはなりましたが…
やっぱり、直接人と会うというのには敵わなくて、嬉しさとか心強さとか、温かみとか、
いろんな感情がドッと湧き出てしまうもんなんですよね。
七実がたまにママの仕事をするのも、きっと、そういった生の感情を定期的に味わって
作家としての自信をつけたいからなのかも。
1人で手術を待っていたら緊張しっぱなしで、時間も長く感じたのが、
誰かとお喋りしながら待つ事によって、彼女の心も大分救われたんじゃないかと思います。
ひとみは無事に治ったようですが…まだまだ家族安泰という訳にはいかず、
次は芳子の認知症と向き合わなければなりません。
ひとみは気を遣って七実には言わなかったんでしょうが、
草太(吉田葵)はもう気づいてますよね。
個人的には、序盤で一瞬映ったカットで、ソファに服が散らかって置かれていて
芳子に覇気がなさそうな様子を見て、なんか変だな…?と感じたんですが、
七実は仕事と母の入院で精一杯で、気づかないもんなのでしょうか。
(↑8話視聴後の追記。やっぱり気づいていない訳ではありませんでしたね…)
で、本人は…ひとみが子供だった頃の年齢だと思い込んでいる?
9話(2024/9/17放送分)
親離れ子離れを、あんなにファンタジックかつ切なく描いた作品って
中々ないんじゃないでしょうか。
今回はもう、とにかく、ひとみの気持ちが刺さり過ぎましてね…。
私は母の経験をした事はないですが、私が小さい頃から
母親が幼稚園の先生とも相談しながら大事に育ててくれた話は以前聞かされていたので、
愛情込めて育てた我が子が家を出ていくと知った時の不安や喪失感って、
きっとこんな感じなんだろうな…と思うと、ずっと涙が止まらなかったです。
ママが草太と2人で鍋を囲む時に、お互いの仕事の話をすると答えた事に対して
七実は「中年夫婦やん」と言っていましたが、
その何気ない会話が今の、唯一の心の拠り所になっていたんですよね。
パパはもういない。七実も自立した。おばあちゃんも施設へ行ってしまった。
あんなに賑やかだった食卓はいつの間にか静かになって、
少し心細さを抱えていた時でも草太が一緒にいてくれた。
散髪の時も含めて、何だかんだで草太が自分を頼ってくれるのがとても嬉しかったでしょうし、
それに慣れてしまった部分はあったんだと思います。
だから、思い出に縛られて時々不機嫌になってしまうひとみの気持ちがよく理解出来ました。
草太から離れられないのは耕助(錦戸亮)も同じで、
亡くなってからも幽霊として、草太はどうかな?元気にしてるかな?って気にかけながら
見守ってくれていました。
一人暮らしという夢に向かって、ノートに書きながらコツコツ計画していた草太が
夢を叶えるとなった時、もうこの子なら大丈夫だという安心感もありつつ、
自分がそばにいなくても良いのだという寂しさも同時に押し寄せてきた事でしょう。
「今まで、ありがとう」草太がそう行った時、耕助がスッと画面からいなくなるシーンは
現実を突きつけられたようで、ちょっとゾッともさせられましたね。
でも、「家族」はなくならない。
家族は解散しても、離れた所にも身近な場所にも「家族で過ごした証」は確かに残っている。
次に子供たちが帰ってきたら、観葉植物に引き出しの取っ手があったんよ〜という
話題になって、そこからまた思い出話で会話が弾むんじゃないかな?と
岸本家を見ていると思えますし。
ひとみがキッチンの下の引き出しを開けるたび、草太がぬいぐるみを入れていた事、
出す食器の数が減っても一緒に食べた記憶は残り続けて、
それが"支え"になったりするんじゃないかという気もします。
形は変わって悲しいけれども、たくましさも感じさせるラスト。
これで最終回でも良いのでは?と思いますが、果たしてどう締めるんでしょうか。
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