
以前から「なんでも治せるお医者さん」を目指すと言っていた滝野(小芝風花)。
入職式での希望に満ち溢れた彼女の姿から、
終末期医療に移る患者・半田辰(石橋蓮司)のシーンへと切り替わる流れを見て…
ああ、これは今回泣かせにかかるつもりだと、冒頭の時点で覚悟しました。
まだフレッシュさの残る若い医者が終末期の患者と向き合うという
成長物語の醍醐味であろうお話に、患者役を演じる役者さんの熱演。
過剰なお涙頂戴の演出さえなければ、
正直、感動する事はほぼ確定と言っても良い組み合わせなんですね。
なので私自身も、2人で辰の作った家や町の思い出を共有して"マブ"になれたり、
シャルウィダンス?と辰が手を差し伸べてから滝野と踊ったり、
そういったエピソードの積み重ねがあった上で最期を看取るラストには
確かに泣けてしまったのですが…
いや、鉄板の内容だけに、「泣けた」「感動した」で終わる訳には行かないぞ?と
逆張りしてしまう自分もいまして。
果たして今回の内容が、総合診療科が舞台のドラマで取り上げるべき内容だったのかは
少し疑問にも思いました。
「本当に終末期の患者には、これからはないのかね?
これからがどんなに短くても、最後の瞬間まで人生は続く。それに、私たちは付き添う。」
今回の仕事も総合診療科の範疇だとギリギリ捉える事も出来るんですけどね。
ただ、若い女性が終末期の患者を…というお話自体は、冬クールの某研修医ドラマでも、
去年のドラマでも見ているので、どうしても既視感が先行してしまったのかもしれません。
個人的には、辰の病状が悪化していく様ももちろん辛いし悲しかったんですが、
同時に、おじいちゃんの体がもう元気ではなくなっていて、
もうすぐお別れしなければならない事を嫌でも実感させられる日々を過ごしてきたであろう
孫(男の子)の精神状態が心配で…。
(↑ゲームをしている最中でも、不安気な顔して瞬きが多かったので…)
兄弟同士のいざこざは描かれていたものの、
辰の死に直面する患者家族に寄り添う描写が少ないのも気になりました。
先ほど「既視感」「総合診療科が舞台のドラマで取り上げるべき内容だったのか」
と書いたのも、ここのちょっとした違和感が原因なのでしょう。
恐らく、患者家族と向き合う内容は2話で既に描かれているので、
今回は家族の心情を深掘りするというよりかは、
「終末期」というテーマで違う角度から描いたんだと思いますが…。
でも、今までの患者の"その後"が、日常生活に溶け込むように
さり気なく触れられているのを見れば、きっと辰が亡くなった後も
定期的に訪問か連絡はしているのかなと。そうポジティブには考えられます。
赤池のノートが、終末期医療のページだけ白紙なのは何だか意味深でしたね。
赤池自身も年齢を重ね、"現実"を目の当たりにしている段階なのでしょうか…。
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