前回でも最終回にふさわしい内容ではありましたが、
最終回になり、耕助(錦戸亮)の視点でガッツリと物語が描かれていきました。
4話だったか、七実(河合優実)とひとみ(坂井真紀)が目標を持ち、
前に進もうとしている様を写真の耕助が見守ってくれているかのような引きのカットが
ラストシーンで用意されていて印象に残っていたのですが。
そう感じた通りで、自分がこの世からいなくなってもなお、
岸本家の幸せを願い続けてくれていました。
七実が生まれて、草太(吉田葵)が生まれて、どんな苦悩があっても
おまじないのごとく「大丈夫」と唱え続け、家族含めて「大丈夫」であり続けるために
仕事に勤しんできた耕助ですが、そんな自分の心は全然大丈夫ではありませんでした。
そして現在…七実がまさに父と同じ状況になりかけています。
七実に同じ想いはさせたくないというひとみの願いで、再び彼女の前に現れるんですが、
やっぱりこの父娘、似ているんですよね。
家族を喜ばせるためなら自分を犠牲にしてでも頑張りがちだし、
褒められるのが生き甲斐になっている。
「世の中には2種類の人間がおる。大丈夫な人間と…大丈夫やない人間や。」
「(中略)ママは大丈夫やない。私も大丈夫やない。…だから私、頑張ってる。」
これ以上七実が心を壊さないようにと心配して来てくれた耕助だったのに、
頭を撫でたら、逆に労われ、撫で返される2人のやりとりにはグッときました。
今自分が家族のために頑張っている立場だからこそ、
あの時支えてくれた父の気持ちが理解出来るんですよね、きっと。
大人になって、自分以外の人の心情も考えられるようになって…
こういった、時を経たが故のエピソードには昔から弱いのです。
最終回はいつも以上に過去と現在を行ったり来たりで、さらには夢の世界も含まれていたので
見ている私もふわふわとした不思議な感覚にはなりましたが、
父が買ったボルちゃんを印税で買い戻す七実はとてもたくましく映りました。
力を注ぎ過ぎても心配だけれども、
それでも、夢を叶えるためにブレずに頑張り続けている人はかっこいい。
七実にとって褒められる事は、自分の努力を誰かが見てくれて、
自分らしくいられる居場所を残してくれる思いやりのプレゼントでもあるのでしょう。
褒められる事で気持ちが楽になり、
次のモチベーションに繋がるのかもしれない…と思えました。
「見とけよ世界。この家族と笑い続けてやる。」
バッドエンドも別に嫌いではないですが(ただし作品にはよる)、
登場人物の未来にワクワクしたくなるような、希望に満ち溢れた最終回が好きだな…と
改めて感じさせてくれる締めでした。
逆境も苦難も、笑って明るく乗り越えていく岸本家の底力に心動かされる作品でした。
病気も死も障がいも…悲しい出来事ではなくあえて"普通"に描くからこそ、
七実の、家族を喜ばせたい、家族を失いたくないという気持ちもストレートに伝わって来て、
自分の家族との思い出と重ねながら共感出来たような気がします。
再放送で見られて良かったです。
そして…一部飛ばした回もあったものの、やっとこさ感想を書き終えました。
↑2024/12/30に執筆。遅い!!まだやっとったんか!っていう(滝汗)
「夏に放送されたドラマの感想を2〜3本書く」という目標を達成するために、
時間が空いても根気強くやり続けましたよ、私…。
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