この世界の片隅に 5話 感想

  

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※これは当ブログ「りんころのひとりごと。」を立ち上げる前に、

PCのメモソフトで作成していた記事に手を加えた物です。(念のためご報告…←テンプレ

 

登場人物の複雑な想いが伝わってきた回。

 

冒頭から水原が登場してきて、
すずに会って頭をくしゃっと撫でる所で既に魅力的に見えたし、
すんなりとこの世界観に引き込まれ始めたなぁ。

 

少年らしく、とにかく元気な水原は、大きな声で喋ったり歌ったりしていた。
食卓の時でも、お風呂の時でも。
全ては「また戦争に行く」という不安と戦い、
同時に「死ぬ前に鈴に会いたい」という願いを叶えたかったから。

 

だから、静かな食卓をよそに「すず」と呼び捨てして話しかけようとしてしまうのも、
ヤキモチを妬いて寝られない周作をよそに、すずに接近しようとするのも分かる。
普通だったらこういった行動は、「旦那がいるのに何やってるんだ!」
って怒りたくなってくるんだけれども、
水原の心情を丁寧に描いているからこそ、少しでも感情移入してしまうんだよね。
そこからの、「お前、べっぴんになったで」とすずに言い残して去る姿は

どこまでも男らしく、勇ましく…
戦争から無事に帰ってきてほしいと願わずにはいられなかった。

 

水原がすずに話しかけてる時に表情の変化を細かく表し、

すずの前で家の鍵をかけてしまう周作。
すずがお茶碗を返しに行く所を遠くから見て聞いて、

微笑みと同時に微かな悲しみを見せるリン。
周作のことで怒りたくなってしまうすず。
各人物の心情をじっくりと事細かく描くことによって、
それぞれが複雑な想いを抱えてこの時代を生きている事が分かる。
だからこそ、胸が切なくなる。

 

もう一つの印象的なシーンは、兄の死を石ころで表現した所。
お母さんが骨董を開けたくなったのは、

息子が死んだのを「どうしても」認めたくなかったから。
今では、死体ごと燃やして、その人の骨全てを骨董に納める時代であるけれど、
戦争当時は一斉に死ぬ事が多かったから、誰がどの骨なんて分からなかっただろう。
せめてもの形として…たった一つの石っころで死んだという

証拠を表現せざるを得ない時代だった。
当時の残酷な状況を説明過多でなく映像で魅せるからこそ、母が大声で泣いている場面にも胸が熱くなった…。

 

ストレートに伝わり切ない気持ちになってしまう所が多い中、
「すずさまー!」と、熱で寝込む人たちがすずに看病をお願いするシーンは

中々に癒されたわ(笑)
径子さん、子供みたいに甘えていて可愛らしかったなぁ…。
前回に引き続きおちゃめな姿を見せるものだから、ますます好きになってしまう!

 

シリアス多め&ほんの少しのほっこり話で、今回もあっという間だった1時間。
航空機がたくさん飛んでくる所で本編終了…。
(飛ぶ音を大きくする事によって、

戦時中にその人が感じた怖さと恐ろしさが、より実感出来た気がします)
現代パートの方も、なにやら北条と名乗るおばあちゃんが登場してきて…
次回がますます気になりますね。

 

いやぁ…全然戦争の時代に生まれていなかった私でも、

ここまで魅せられてしまうのだから、本当に素敵な作品。
この時代の人物全てが愛らしく思えてしまう作品です。

 

来週はサッカーのために10時からの放送だそうで。
いやはや、お休みにならなかっただけありがたい…!

 

 

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