10年前に杏子(常盤貴子)たちが住んでいた街を舞台としたお話。
高校生の傷害致死事件の真相を追うのがメインで、
かつて交流のあったママ友たちとの関係も同時に描いていく…といった所でしょうか。
でも、それだけじゃなく、いろんな思惑やエピソードが複雑に絡み合って
1本の物語になっているのが凄いんですよね。
壮一郎(唐沢寿明)の保釈問題。彼に利用された事を引きずったままの杏子。
二人の関係に介入していく多田(小泉孝太郎)。
みちる(水原希子)の動きや朝飛(北村匠海)との関係も含めて見所はたっぷりあります。
今回も、法廷シーンやそれまでの調査過程の描写は、安定して面白い。
「これが決め手か!」という気づきの部分。劇伴の入りの気持ち良さ。
核心を突く時の主人公の凜とした姿。
盛り上げ所がきちんと押さえられているし、終盤になるにつれて
壮一郎方面のエピソードにもワクワクさせながら余韻を残す作りは本当に上手いです。
弁護士ドラマとしてもさることながら、人間ドラマとしても見応えアリな本作。
特に「口だけでしょ」と杏子がママ友に言った時のシーンが印象的でした。
弁護士としてなら全力でサポートするけど、
私生活では自分の気持ちを吐露したって良いですよね。
でも、10年前に付き合ってくれた事に対しての感謝の言葉は言う。どこまでもたくましい。
涙を浮かべてその場を立ち去る杏子ですが…
多田たちを見て「過去は失ったけど、その分未来も新たに作れそう」だと言って
笑顔を見せる彼女を見て、また一段と応援したくなりましたね。
話がちょっと前後しますが、「口だけでしょ」の時は逆光で暗く、表情を見辛くしておいて、
「色々とありがとう」と言った時には、顔を照らす照明が
ぱあっと明るくなる演出もとても秀逸でした。
壮一郎の保釈請求却下の件は、まさかあのまま、多田が杏子への恋心を利用して
彼を陥れた…なんて事ではないと良いなぁとは思います(笑)
まぁ、よく作られたヒューマンリーガルドラマなので、そこは大丈夫かと。
次回も楽しみです。
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