裁判員裁判の話は初めて見るなぁ。
そもそも、それ自体あんまりイメージ掴めていなくて、
提示された証拠や証言をまとめた書類を元に
最終的な判決を裁判員に委ねる…みたいな流れだと思っていたから、
まさかあんな風に自由にディスカッションさせるのかと驚きましたよ。
私は大人数の前で意見出しづらい人間だから無理だ(笑)
まぁ、ドラマ用に多少誇張はされているかもしれませんが、
色々発見があって、これはこれで新鮮な気持ちで見られました。
「辞めて抜けても良い」「事件の概要はSNSで呟いても良い」もなるほどねぇ…。
勝手に自己紹介、探偵気取り、本題から逸脱したお喋り…
個性がぶつかり合う人々の前では、
さすがのみちお(竹野内豊)も入る隙がない所が面白い。
だからと言って、裁判員達の威力に押されて主人公の存在感が薄まる事もない。
周りの意見を頷きながらじっくり聞いて、素っ頓狂に意表を突いてくるかと思えば、
時にストレートな言葉で攻めてくる。
犯行をきっぱりと否定し、黙秘権を使った高見(春木みさよ)が
悪女っぽく映ったのは、実は娘を傷つけたくないがための計算だった。
最初はガヤガヤ盛り上がっていた裁判員達も
裁判員制度をやる意味や事件の真相に気づくごとに、
徐々に物事に向き合うようになる真面目な面を見せてきたり、
考えた末に「分からない」と率直な意見を述べる者が出てきたり、
強気だったのにもかかわらず自信がなくなって下りる者が出てきたりもする。
被害者を助けるべきだったのか。それとも死なせてあげるのが正解だったのか。
被告人、裁判員、みんなそれぞれ意見が違っていて、
1つの答えを導き出すのに迷いが生じている姿が
有罪にするか無罪にするかで悩む裁判官達の姿とリンクします。
日高(草刈民代)の件もあり、人の人生を決める重みを知っている裁判官だからこそ、
みちおの言葉に続けて自分なりの考えを重ねながらフォローを入れる
また、劇中の台詞「悪人の中にも善意がある。決して一色には染まらない」でもあったように、
人間は見た目だけでは計り知れない、複雑な感情を抱える生物であるという事を
裁判官側、裁判員側、被告人側の心理に絡める形で見せてきた、
人本来の魅力に触れるお話でもありました。
結末自体は重たいものでも、凄くぐったりした心地にならなかったのは
裁判に向き合うみちおの柔軟な思考や行動でバランスを保てているからなんでしょうね。
私の好きな「ふはは」笑い。今回はいっぱい聞けて嬉しかったです。
あの笑いが入るだけで、心が少しほぐれた気分になります。
それにしても、終盤のストーカーの件は…
頭打って気絶したまま来週まで引っ張るのかと思っていたので、安心しました。
でも、あれだけでは終わらなそう。
で…姪っ子、誰!?(笑)
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