患者を救う事と改革で頭がいっぱいいっぱいになっていた有原(小泉孝太郎)が、
妻・志保(小西真奈美)との会話で思い出した「病気を診るな、病人を診ろ」や
病院に訪れた娘・彩名の母親(安藤玉恵)との関わりによって、
忘れかけていた"病院"の原点を取り戻す…といった、
例えるならば、「起承転結」の「転」のようなお話でした。
再建ドラマの印象があった本作ですが、今回は患者と向き合う点で
医療ドラマならではの要素が前面に押し出されてきたのにも珍しさがありましたね。
再び戻ってくるであろうと微かな期待を寄せていた野林は、
結局壊れたままで、病院に戻ってくる事はありませんでした。
有原の、リスクを拒まず、「今やらないでどうする!今でしょ!」な積極的な性格には
確かに頼もしさはありますし、将来的には看護師や医師からの人望を集める
存在にはなるのかもしれませんが、その"積極性""力強さ"が
誰かにとっては体に毒だったりする…というのを垣間見たエピソードでした。
けれども、気休めではなく、キャリアを重ねて調べ上げてきたデータに基づいて
彩名の母の自信を取り戻させる有原の姿にはやはり頼もしさがあって。
「経営も診察も出来るスーパーマン」ではなく、
「突っ走って行くが故に失敗もしてしまう"完璧そうで実は完璧ではない一人の人間"」
として主人公を描こうとしているんだというのがより伝わる内容となっており、
今後も安心して見られそうだ…と強く思わされました。
まず人員を確保しなければ、24時間365日体制も野林先生のように
精神的に追い詰められる人が増えて行く訳で、その点では有原の考え方には
多少賛同出来る所はありますが、金銭面に関してはまだまだ甘ちゃん。
倉嶋(高嶋政伸)の方が銀行に勤めていただけあって
戦略を見抜く力には長けているので、衝突してしまうのも仕方ないんですよねぇ…。
産科の復活までの過程が、半年後で飛ばされたのにはビックリしましたが、
前途多難な展開はこれからも続くようですね。
全8話だと考えると、あと数話分で復活の兆しは見えてくるのか?
駆け足にならないか?は若干心配ではありますが…果たして?
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