前回は吉岡(林遣都)の過去に心抉られ、
今回は複雑な心境を吐露する川上(光石研)と貴子(和久井映見)の様子に心抉られる…。
小さい頃から、桃子(有村架純)が一人で弟達を支えていくと決心した時から
ずっと見てきた訳だもんなぁ。
吉岡と2人でいる所を見て動揺して、自分の保護司としての仕事とか別れて欲しい訳じゃないとか
色々弁明はするんだけれども、
その中でも最後に出た「これ以上背負わせるのは可哀想で」という言葉が
彼自身の率直で切実な想いを物語っていた気がします。
貴子も貴子で、「別れて欲しい訳じゃない」「抱えきれなくなっただけ」なんて
柔らかい言葉をかけられても、素直に受け取る事は出来なかったでしょう…。
優しく振る舞いつつも、心の中ではどれほどの深い傷を負っていたか。
夜道で一人泣くシーン。
初回からどこか悲しみの表情を帯びているのは伝わってはきたものの、
あんなに感情を露わにする所は見た事がなかったので、
これが"やり場のない想い"なのか…という場面を目の当たりにしているようで
ただただ切ない気持ちにさせられました。
そんな2人の、違った形の"親から子への思いやり"が描かれた分、
終盤での吉岡が桃子に自身の過去を打ち明けるシーンが
物凄く活きたのではないかと思っています。
桃子が真相を一足先に知った事で、ああ、どうか今の関係が崩れないで欲しい…と
少しドキドキしながら願わずにはいられませんでした。
恋愛だからと言って安易にライバル=新キャラを登場させるのではなく、
「相手を好きになっていく過程」を地道に積み重ねていく心情描写がとにかく心地良い。
そして、「私、見ちゃったんだ」とも「私は信じてるから」とも何も言わずに、
吉岡の口から発せられる過去をただ静かに聞いてからの無言のハグ…
"姉ちゃん"とはこういう人の事を指すのかと、その包容力の大きさに
妙に納得させられるラストでした。
私が基本的にドラマを見る際は、特に恋愛モノにおいては
主人公に共感出来るかどうかを1つの例として挙げているんですが、
本作はそこを上手く表現されていますね。
今回の件で、桃子の事がもっと好きになってしまいましたわ。
それに、2人の心情を掘り下げるためにメインパートがシリアスになっている分、
脇役パートはコミカルにしてバランスをとった作りにしているのも良い感じです。
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