*2021年 夏ドラマ 視聴リスト&期待度*
9/25:2021年 秋ドラマ 視聴リスト&期待度 の記事をUPしました。
「正義の天秤」初回までに間に合ったー!

3年A組 −今から皆さんは、人質です−  総括|柊の言動は正義か否か

 

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最終回では15.4%という視聴率を叩き出し、

Googleで「3」と打てばこのドラマ名が出るくらいには話題になった本作。

視聴率が高くなればなる程、それだけ見る人も増える事になるし、

いろんな考えを持つ人だって増える。

だから、本作を「泣いた」「感動した」と推す人もいれば、

「恥ずかしい」「ゴチャゴチャしてる」とツッコミをする人もいた。

他のSNSでは分からないけど、少なからず、

Twitterでは賛否両論が巻き起こっていたのは事実。

 

前置きが長くなりましたが、最終回までを見て感じた事を

章立て構成でただただ書き残して行こうと思います。

これはあくまでも一個人の感想です。

でも、実際に本作を好きだという方もいらしたので、

その方々の考えを否定する内容にならないよう気をつけるつもりではいます。

(そして、全部で3000文字を超えてるので長いです!)

 

テレビ離れ」傾向にある若者を繋ぎ止めるドラマが出てきたのは良い流れ

 

まず、私個人の感想や作品の出来不出来を払拭した上で書くならば、

前作の「今日から俺は!!」に続けて、ターゲット層であろう若者=中高生の

心に届くようなドラマが年月を経て出てきたのは純粋に良い流れ。

(中高生と限定付けた理由は後述)

テレビ離れが進んでいる昨今、

本作が「テレビってこんなに面白いんだ」と気づくきっかけになれたなら。

そこからテレビを見る機会が増えて、ドラマにおいてもバラエティにおいても

更に活性化が図れたなら。喜ばしい事この上ないでしょう。

 

話題作になった理由として、世代的に親しみやすい「学園ドラマ」をベースとしていた事。

キャスティング面では、菅田将暉さんを始め、川栄李奈さんや永野芽郁さん、

EXILEグループから片寄涼太さん。

同じく話題を呼んだ「花のち晴れ」から2名(今田美桜さん、鈴木仁さん)など、

ほぼ同年代でかつ演技で魅せる役者陣を揃えた事。

そして、まだ危険性を知らない状態でSNSを始めた中高生に向けて

「一度立ち止まって考える事の大切さ」「発言次第で加害者になってしまう可能性」

を一貫して、かつシンプルな言葉で分かりやすく届けた事。

これらの要素が大きいと思います。

 

賛否両論なんであれ、ターゲット層に向けて作られたドラマとしては

成功したのは間違いないです。これは認めます。

 

ただ、「一貫した作り」「分かりやすい」 が為の弊害も出てきたのは確か

 

ただ、残念ながら、私は本作にハマる事は出来ませんでしたし、

視聴後にモヤっとする気持ちだけが残ってしまいました。

その理由の1つとして挙げられるのが、終始「SNSが孕む危険性」を柊が

生徒達に説教して伝えていったエピソードが多かったが為に、

結末が「そりゃそうだよね」という何の意外性もないオチで終わってしまった事。

 

今までの内容関係なく、柊のマインドボイスに向けての演説だけを聞けば

確かに一理はあるし、また、それを命懸けで伝えようとする菅田さんの演技には

胸がこみ上げるものがありました。

このシーンだけなら、私も、SNSの使い方、ブログでの感想の書き方を

改めて考え直そうという気にはなります。

(そこは本当にね…感情だけで行ってしまわないよう気をつけないとだ。)

 

でも、今までの話の流れで既に分かりきってる事を言葉だけで延々と訴えるのには

小っ恥ずかしいものがありますし、熱演させる事で「共感させよう」「感動させよう」

と視聴者の心を誘導するかのような作りにするのもどうかと思いました。

柊と生徒達の交流を通して、視聴者側が自分のペースで、自然と「ネットは怖いんだ」

という作り手の意図を汲み取る。

最初からこれで良かったんじゃないですか?

 

柊の正義もこれで良いのかと考えさせられる…

 

また、モヤっとする理由として、柊がなぜ「SNSの怖さ」を伝える為に

監禁事件を起こさなければならなかったかが一切明かされなかった事。

なぜ他人の心を弄ぶ行動を起こしたのかも挙げられます。

さっきも言ったように、柊の伝えたいとするメッセージには一理あります。

でも、それに向けての言動自体に疑問を感じざるを得ません。

 

未成年の生徒達を人質にとり、爆破で脅迫させ、恫喝もし、

更には暴力もふるって精神を追い込むまでの行為もした。

生徒だけに留まらず、生徒の親、教師達、警察だって振り回したし、

武智(田辺誠一)にはフェイク動画を使って陥れた。

これらの動機が「生徒のため」「SNSの怖さを世に知らせるため」だと柊は言います。

本当にこれしか方法はなかったんでしょうか。

もっと適切な方法は考え直せばあったんじゃないでしょうか?

 

この方法だと、メッセージを届けるためには何をしたって良い、暴力だってして良い。

そんな風にも捉えられませんか。

言い換えるなら、柊の言動は「自分の考えを伝えるためなら相手を非難したって良い」

「自分が気持ち良くなれば攻撃したって良い」とする、マインドボイスに呟きを送る

面々とまるっきり同じな気がしてなりません。

 

最後の、さくらの気持ちを確かめる行為にしたって、もし本当に柊がそのまま落ちて

自殺さえでもすれば、彼女の心の傷はより一層深まるばかりだったと思います。

「自分のせいで、目の前で大切な先生が死んでしまった…」

トラウマだけが一生残って過ごす事にもなる可能性だってあったでしょう。

 

最初から各々の設定を整理すれば、好意的に見られたはず

 

「ゾクゾクタイム」なんて煽り過ぎずに、最初から柊を熱意の持った先生という

キャラで通して行って、生徒に何かを訴えかけたくて行動を起こしてるんだと思わせる

素振りがあれば(どうしても監禁じゃなきゃならない理由が感じられれば)、

柊にだって共感は出来たし、

SNSが孕む危険性、考える事の大切さをターゲット層に届ける為に作ってるんだな」

ともう少し好意的に見られたはずだと思います。

 

どんなメッセージを込めたいのか。何を一番に伝えたいのか。

その作り手の意図は十分に理解出来ました。

ただ、もし演説をどうしてもやらせたい!と考えるなら、

それまでの過程にもう一捻りがあって欲しかったです。

前半でワンパターンの展開(柊が8時までに答えを出せと命令する→

生徒が仲間割れ→さくらが犠牲になって名乗り出る→結局犯人が分かって柊が説教)を

延々と見せ続けて話数を埋めた構成が、本当に勿体無かった。

 

他に勿体無かった要素を挙げるとするならば、

同じ局でもなければ特に必然性もないような特撮ヒーローの出番があった事。

謎のキレキレ体操。緩急的役割かもしれない教師達のダベリシーン。武智のコメディ。

本来書くべき描写と作り手の狙いに大きなズレが幾度も感じられた事(主に水越の件)。

これらの要素が、物語の緊張感、メッセージを伝えるが故の重みを

壊してる気がしてなりませんでした。

 

***

 

キャスト陣の演技も見応えがあった。メッセージにも一理はあった。

企画自体だって、ターゲットの事を考えて作られてる気もした。

それだけに、最終回までの結び付け方がただただ残念なドラマでした…。

 

でも、若手役者の方々が世間に爪痕を残せた事、これがきっかけで

もしかしたら様々なドラマでお見かけ出来るんじゃないかと思うと、

ドラマ好きの私にとっては本当に嬉しいですし、

以前より減少しつつある「若手役者の登竜門」としての学園ドラマが

また復活するんじゃないかという希望も感じられた作品でもありました。

 

今後の活躍を勝手ながら楽しみにしています。お疲れ様でした。

そして、拙い感想を最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

 

 

↓今までの感想はこちら(1〜3話の感想のみ)↓

rincoro-ht.hatenablog.com