正月時代劇 家康、江戸を建てる 感想|主人公2人が可愛らしい〜♪

 
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前後編の構成。佐々木蔵之介さん目当てで見たのですが、

個人的には後編の方が良かったですね。どっちも簡単に感想を書いていきます。

 

前編 〜水を制す〜

 

まず、上水の整備を家康(市村正親)から命じられた時の、

菓子司・藤五郎(佐々木蔵之介)の感極まって泣く表情が何とも愛らしくて…

大福の持って行き方と言い、一気に魅力的なキャラクターに感じられました。

 

でも、内容に関しては、ちょ〜っと長いかな?って気はしましたね。

良くも悪くも「歴史の紹介映像」を見せられているみたいで、

そこにほんの少しの人情が加えられた…というだけの印象でした。

最後のシーンの、共に水の整備を行った六次郎(生瀬勝久)と春日(千葉雄大)が

亡くなった藤五郎の墓の前で「ついに完成したよ」と話しかける所には

ちょっと目頭が熱くなりましたが。

 

映像の方は、芝生の鮮やかな緑と

川の水を柄杓で救う時のシズル感溢れるショットがとにかく美しかったです。

 

あ、そうそう…脚本は「陸王」「下町ロケット1」を書かれた八津弘幸さんだというのは

事前に知っていたのですが、その認識があるためか余計に

「ここ、日曜劇場っぽいわ〜」と思う部分がいくつかありました(笑)

深夜までの労働作業とか、家族のシーンとか。仕事の事で言い争うのは娘と…なんだね。

 

後編 〜金貨の町〜

 

主人公が魅力的というのは前後どちらも変わりないのですが、

こちらの方が「プライドを持って働く職人の人生」を覗き見している感じがして

見応えがありましたね。

 

無名で身分の低い主人公が、自身を嘲笑う上の者へ行動を起こすという逆転劇は、

八津さんならお得意の話でしょう。

主人公の置かれている境遇をしっかり描いた上で、

後半で徳乗(吉田鋼太郎)の目の前で看板を立てるシーンには

とてもスカッとした気持ちになれました。

真面目で直向きで、ほんの思いやりのある性格なんだと、

序盤ですぐ伝わって来るような柄本佑さんの演技も素敵でしたね。

 

金貨作りの過程を見せた所も、ものづくり感があって良かったです。

後編は「名もなき者が生まれ変わる」がテーマだったためか、

初めは更地だった江戸の城下町と庄三郎を重ねる最後のシーンは

何だか感慨深いものがありました。そのための、前編の序盤だったんだなぁ…と。

 

***

 

前後編の共通点は「人と人との繋がり、助け合いがあって時代が作られる」。

人情は昔からずっとあるもので、そのお陰で今私たちは

家に暮らせたり、店がある所に住めたり、美味しい水を飲めたりしているんだと、

改めて長い歴史を生きた人々に感謝の意を込めたくなるような時代劇でした。

面白かったです。