箸休めのエピソードだと捉えていた 仲良しコンビが漫才師に目覚めるまでの話が、
結果的には、花枝(清原果耶)と芦田(間宮祥太朗)の関係性にも通じていた…
とも想像出来るような、今回の物語の"核"として描かれる役割を担っていたのには
なるほどなぁとは思わされました。
最初は身内を笑わせる事が目的で始めた仕事で、実際に身内を笑わせる事は出来るのだけれども、
いざ外の世界に飛び立つと誰にも笑ってもらえない=良さを認めてくれる人がいない。
この"ギャップ"で苦しむ経験は誰でも起こり得るだろうし(それを描いた作品も以前あったし)、
これって、歌を生業にしている芦田の立場にも置き換えられるんじゃないかなぁ…って。
芦田が花枝の言動にインスピレーションを受けて、
彼女を想ってようやく曲を完成させたは良いものの、
思い出作りであれ、もう恋人="身内"になっている以上は
物事に公平に向き合えなくなってしまっているんですよね。
だから今回で、オーディション用に作った曲が不採用になった…というオチで終わったのも
何となく納得出来るんです。
そしてゆくゆくは、あの仲良しコンビみたいに、社会に出て再起する事の大切さよりも
「そばにいてくれる事で初めて元気が出て、頑張れる」…
そんな大切な人の存在が身近にいる温かさに
気づかされるようになるのかな?って気もしております。
ただ…今回は前回のようなベタな描写・演出は少なかったし。
花枝の空手を見て心動かされて、元々恋とは何なのかを知りたくて始めた恋愛だったはずが、
自分が描きたいのはラブソングじゃなくて
頑張る人へエールを贈るファイトソングだったんだ!という"気づき"の流れで、
そのまま 胸キュンや当て馬描写がトレンドのラブコメに見せつつ
"ヒューマンラブコメディ"へと舵を切ってくれれば凄く良かったんですが…。
芦田の頭が肩にもたれかかる形で、どうも胸キュンを盛り込む傾向にあるのは、
(邪推ですが)プロデューサーか上層部による采配が関係しているんでしょうかねぇ。
別にわざわざそんなシーン作らなくても良いのに…
2人が前向きになるまでの物語を描くんだったら
少しでもその曲を聴いてみたかったな…と思えたのも事実です(笑)
記憶違いだったらすみませんが、
確か元々、バンドでのヒット曲を作る事が賃貸契約更新の条件だったはずが、
物語を進展させるアイテムにするために「オーディション用の曲が採用されなければ退去」だと
書き換えられて、それを失恋に結びつけたのも強引だった気もしますし。
それに、芦田の事が密かに好きな弓子(栗山千明)をライバルキャラに仕立て上げたいのか、
初対面の花枝が彼女が敵か味方かどうかを気にし、敵だとはっきり返事するくだりも
ちょっと不自然だったような…?
そんな訳で、前回よりもヒューマン要素はあったものの、
まだ多少のぎこちなさを感じながら見ている状態です。
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