絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜(2020) AFTER STORY 感想|ただの情報漏洩じゃん。

 

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開始してから15分経った時点で、ああ、こりゃあただの総集編ですな…と察し、

いつの間にかながら見してしまってました。

 

これまでの特別編と比べてみると…「朝顔」は1つ1つのエピソードが充実していたし、

日常描写もリアルだったから、思い出のアルバムをめくっているような懐かしさに浸れて、

「シャーロック」は犯人から獅子雄について語らせる形で、それなりに新録映像を入れて

頑張ってはいたけれど…

正直、本作の特別編(で、いいやw)は「ラジハ」より酷い作りだったと思いますよ。

事件がやりたいの?それとも総集編がやりたいの?と思うほどには

今までのエピソードを紹介するまでの導入部分、繋げ方がチグハグでした。

仮に本作を見ていない人向けに作ったつもりだったとしても、

果たしてあの順番バラバラなまとめ方で、見てみようと興味を持つ方が出てくるのかどうか疑問です。

 

1時間で済ませれば良いものを、井沢(沢村一樹)を狙う犯人が悠長に

過去の話を語り続けるのも、ただの引き伸ばしにしか感じられませんし。

結局、ミハンがやった事は、ドヤ顔でスレ立てして、

最高機密の情報を一般人に漏らしてしまうという、警察業界が騒動になる大問題を起こしただけ。

 

過去にも何度か言いましたが、2時間を埋めるためだけの中身スッカスカなものを作るより、

本編の話をもっと充実させる事に時間をかけたり、話数を増やしたりして欲しいです。

少なからず、良い感じに終わったと思った最終回の翌週で

すぐに特別編を流すのは、余韻も何もないので、やめた方が良いと思います。

大体、つい先週見たばかりの最終回の一部始終を再び見せられても…って感じですし。

 

「総集編」という括りから抜け出せられないのであれば、いっその事スピンオフとして

吉岡(森永悠希)と南(柄本時生)を主人公にした話にすれば、

別ドラマの雰囲気が醸し出せて、面白くなったんじゃないでしょうかね。

 

次もこんな内容が続くようであれば、特別編の感想を書くのはやめて、

ちょこっと追記を加える形で終えようかなぁ?

 

 

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死にたい夜にかぎって 4話 感想|優しくて、甘酸っぱくて、ほろ苦い1分間

 

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新聞配達人・紺野さん(堀田真由)の事を「1分間の恋人」と例える

浩史(賀来賢人)のセンスの良さにキュンキュンしつつ…

そのキャスティングが堀田真由さんっていうのがドンピシャ過ぎて!

方言が抜け切れていなくて、ピュアで、何も飾り気のない紺野さんと、

都会に染まっていて、ガサツで、カジュアルな服をまとったアスカ(山本舞香)。

この2人の女性の対比も、2人の間で別の顔を見せる浩史の様子も興味深く視聴しました。

 

今回主なキーワードとなっているのは「1分間」。

新聞が届くのをワクワクしながら待つ時間。新聞配達人と話す空き時間。別れを告げられる時間。

ガムを渡すまでの時間。仲直りしてから元の2人に戻るまでの時間。

 

男女間の恋愛も親子間の愛情も、全て日々のささやかな行動から生まれる"人間愛"であり、

愛をどう伝えていったら良いのか、どう受け止めていけば良いのか分からない人々が、

自分なりに向き合い、時間をかけながら前に進み始めて行く…というのを、

浩史とアスカ、浩史と紺野さん、そして、いつもより回想が多めに挟まれていた

浩史と父(光石研)それぞれのエピソードを通して、

多方面から優しく描かれていた回だったと思います。

 

これまでの回の演出が、虹がちらっと見えるような光の取り入れ方や、

前回のタイムラプスみたいなダンスシーンなど、独特で幻想的なものが印象的だっただけに、

今回は「人間そのもの」をじっくり映し出すカメラワークが多かったので、

きっと演出家が変わったのかもしれませんね。

しかし、あえてストレートな演出にした事で、たった「1分間」に、

自分の知らない相手の思いやりが感じ取れたり、甘酸っぱくて初々しい感覚に浸れたり、

父の背景を自然と想像させられたりと、

それぞれの登場人物のいる世界に浸ってしまう「奥行き」がたっぷり感じられました。

 

ドアの前で浩史と紺野さんの「青森に比べたら全然」という会話のシーンも、

その前に「朝は寒いから、新聞配達するの大変でしょう?」という話が出ていたと思うのですが、

会話の全貌を見せず"一部を切り取っている"ように自然と流す脚本も良いです。

あえて語らせない。あえて分かりやすくしない。だから、知りたくなってしまう。

 

TVerでちょうど1〜4話が配信されていますので、騙されたと思って

是非とも見て欲しい作品です。

上質なドラマほど終わるのもあっという間で、残り2話…

寂しくなる時間が刻々と近づきます…。

 

 

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テセウスの船 10話(最終回) 感想|待ちくたびれたので犯人側が自白してみました。

 

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なんだ…これ…

佐野家が幸せそうならそれで良いや♪みたいな終わり方…。

 

色々説明すべき事がありますよねぇ?

タイムスリップした心(竹内涼真)から早く真相を掴んで欲しくて

ずっと待っていたのに痺れを切らしたのか、

最終回にして村人や犯人側からポンポン情報が出てきた割には、

みきお(柴崎楓雅)と正志(せいや)がいつからタッグを組んで、

どんな過程で数々の事件を起こしていたのか…

そして金丸の背中を押したのはどちらだったのか…という情報は一切ナシですか?

時間をかける所が間違ってるでしょ。

佐野家が呑気に手紙読んだり、校長(笹野高史)の息子の過去話を呑気に聞いたりして

感動シーンを演出して25分拡大分を繋げるより、

もっと犯人をじっくり描写する事に時間を使って欲しかったです。

  

まさかあの人が!?というリアクションを視聴者から欲しくて、

犯人を正志にしたのは理解は出来ますよ。焦らし続けたのも分かります。

ですが、意外な人を犯人にするならばそれなりの説得力が必要な訳で、

今まで何の怪しげな表情も見せない普通の村人が、暫く出てこなくなって、

最終回でいきなり登場したらまるで人が変わったように殺意むき出しになって、

しかも佐野(鈴木亮平)を犯人にしたかった動機が、

彼は何にも関わっていないただの逆恨みっていうのは無理があると思いました。

原作は大人みきおが共犯者で、未来からタイムスリップしてきて、

少年みきおを変えていく事で未来も変わっていく…という流れだったそうですが、

無難に原作通りのあらすじにした方が話の辻褄が合っていたんじゃないでしょうか。

大体、正志を犯人にしたなら、最後の何話かを見れば成立しちゃいますしね…(滝汗)

 

途中から薄々気づいていましたが、主題歌の力で感動シーンを無理やりねじ込み、

怪しげな人物をこれでもかと沢山映し、サイコパスなキャラクターを配置し、

引っ張り続けて最終回は風呂敷畳めずじまいの作風で…

なんだか、今振り返ってみればTBS版「あなたの番です」みたいなドラマでした。

 

ただ、毎回熱いテンションで「父さーん!」と叫びまくっていた竹内くん…

初めての主演、お疲れ様でした。

本人も主人公の行動にはツッコンでいたから、「あ、気持ちは一緒なんだ」と安心し、

最後まで見られたような気がします。

 

 

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