イップス 1話 感想|補い合う2人の関係性が良いねぇ。

 

 

※1話(4/12放送分)の感想です。大変お待たせいたしましたm(_ _)m

 

番宣で「犯人はトリンドル玲奈さんです!」と声高に言っていた通り(笑)

倒叙ミステリーの形式をとっている本作。

このジャンルで多くの方が思い出すのは…やっぱり「古畑任三郎」ですよねぇ。

 

私がその作品をガッツリ見たのは

一昨年のこの時期に再放送されていた「しばしのお別れ」くらいなんですが、

(見た事はあるなぁと思って調べてみたら、

「やんごとなき一族」の初回放送が延期した時に放送されてました)

バラエティでの懐かしドラマ特集や夕方の再放送で何度もお見かけしていたので、

豪華なゲストを用意していて、手強い犯人との対峙シーンが特徴の

作品だという事は認識しています。

当時リアタイしていなかった私でも、主人公のキャラクターやメインテーマを

知っているんですからよっぽど有名作ですし、

有名作がある以上は、同じジャンルの新しい作品を生み出して評価されるのって

相当難しいとも思います。

 

では、本作の初回はどうだったかと言うと…

黒羽ミコを演じる篠原涼子さんと、森野徹を演じるバカリズムさんの個性が元々強く、

初回という事で初期設定の描写にやや集中していたからか、

トリックにはツッコミどころがあり、犯人の手強さはそこまで感じませんでした。

数回おきにポリタンクを購入していたらしいのですが、

女性1人で何度も搬送していた際に、近所の人や従業員に目撃されるのではないか?とか、

警察がスタンガンの痕に気づかず、事故として処理しようとするなんて…とか(笑)

結局、そのスタンガンも見つからないままでしたしね。

犯人の手強さはそこまで…というのは何も、役者さんの演技を指しているのではなく、

やっぱり、犯人がずる賢くトリックが巧妙であればあるほど

ストーリーも面白くなっていくものだと思っているので、

正直、ミステリー部分は大分浅かったです。

 

でも…作品全体の描かれ方は、割と好みだったんですよねぇ。

ミコは小説を書けなくなってしまったミステリー作家。

森野は推理は出来るものの、犯人を追い詰められなくなってしまった警察官。

そんな2人の共通点は「イップス(出来ていた事が出来なくなってしまう心理的症状)」で、

森野には推理でサポートしてもらい、犯人を目の前にして疲れてしまったら

代わりにミコが前に出て警察官役を務める…という、

お互いの強みを活かして補い合う関係性が実に人間味があって、

ほんのり温かく、共感しながら見ちゃってました。

 

「もがき続けたら絶対リスタート出来るはず!」は

ミコ自身へのおまじないの言葉でもありますよね。

ミステリー小説が書けないまま、現在はコメンテーターの仕事の忙しさを言い訳にして

逃げてしまっている…こっちの方が症状は重そうです。

そして、森野の推理力が衰えていないのにもきちんと理由があり、

なんで「歪な十字架」だけ2冊あるんだろう…よっぽどの秀作だったから?と思っていたら、

片方の小説にはメモ書きがされており、いつか自分の手で解決するために

リハビリを兼ねて練習をしていたのだとラストで分かる。

アンチコメントもそうですが(笑)

森野の場合は、そういった地道なトレーニングを積み重ねて今の状態に至っているので、

ミコも、新作を書かなきゃ!よりかは、まずはアイデアをノートに書き留める…程度に、

少しずつ回復して行けたら良いですよね。

あのルーティーンも、何気にプレッシャーになっているんじゃないかなぁ。

 

もちろん、コメディを得意としている脚本家・オークラさんの作品の見所であろう

お2人の掛け合いも高頻度でクスクス笑わされ、楽しく見られました。

数メートル先で遺体が浮かんでいるのに、全く気づかないままトークを繰り広げている

という構図がおかしくておかしくて(笑)

「生の死体」とか言っちゃうし、会話の7割くらいは事件と関係のない内容だし、

事件発生時にはおどけた劇伴が流れているし。

物騒な殺人事件を扱っていながら、ちょっとした不謹慎さがツボでしたw

…いやでも、名前なんて呼んだら良い?のくだりが、ロッカーの場所特定に繋がるんですから、

コメディパートも今後、案外見逃せなさそうです。

 

「首突っ込んじゃって良い?」は、お決まりの台詞になりそうですね。

次回予告も5話まで一気に紹介しちゃうスタイルなのも斬新!(笑)

倒叙ミステリーの方にはもう少し期待を寄せつつ、次回も楽しみにしております。

 

最後に…リアタイ時に書こうとしていた事を。

本当、月9も火9も木10と暗い作品続きだったので、

本作の作風はありがたかったですね。

もしかして、カタルシスを生むための編成だったとか…それはないな(笑)

 

 

4/24追記:

 

2話を視聴。

"前提"から考えたのがきっかけで、ミコが少し役立っていた所は

一歩前進を感じさせて微笑ましくなったのですが…

イップスという設定が活かされていたのはそのシーンくらいだったのかなぁ。

初期設定の紹介を終えて通常運転になったからなのか、

何だか、独自性が薄まりましたね。まだ2話なのに…。

あとは、ちょっとした不謹慎さが特徴のコミカルな掛け合い・言葉遊びにおいても、

犯人のキャラクターにおいても、

前回よりも全体的にパワーダウンしてしまっていたような気がします。

 

犯人がなぁ…今回、結構チョロかったんですよね。

そこが一番の不満ポイントだったのかも。

どうせバレないと高を括っていてあの態度だったんでしょうけど、

もっと悲しむ演技をして欲しかったです。

ただでさえコメディタッチな作りなのに、

あまり分かりやすく描き過ぎると、余計ユル〜い印象を与える上に

2人が謎を見抜く推理力の高さも感じられにくくなって、

面白味に繋がらなくなってしまうのではないでしょうか。

 

2人の変化を好意的に見ている事には変わりないですが、

溜まっている他の感想を優先させたい気持ちが強まったので、

本作は今後、視聴のみに切り替えるつもりです。

 

あ、あと…お恥ずかしい事に。

「歪な十字架」ってあれ、縦軸に関係してくるものだったんですね…(苦笑)

最近、本当に縦軸を盛り込むドラマが増えましたよねぇ。

回を重ねるごとに強調し過ぎて、本来の良さを食ってしまわないと良いんですが。

 

 

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Destiny 2話 感想|2話の時点で引き延ばしを感じるという…(汗)

 

 

私の理解力が乏しいだけなのかもしれませんが…

うーん、いろんな物事が絡み合い過ぎていて、もはや面倒臭いです(笑)

 

1,2話で整理すると、4つのエピソードが同時進行で描かれているんですよね。

①20年前の奏の父・英介(佐々木蔵之介)の死の真相

②12年前に真樹(亀梨和也)が失踪した理由

(+そのきっかけとなった彼とカオリ(田中みな実)の事故の真相)

③現在で展開されている、検事の奏(石原さとみ)が担当する案件

④プライベートでの奏と貴志(安藤政信)の関係性

…これで合っているのかな。

 

①と②に関しては、そもそも2つの謎を同時に扱う事自体欲張りで、

単体だけでもドラマとして成立出来そうなエピソードなのに。

③と④まで加えて、この枠の傾向を踏まえれば全9話だろうに、

こんなに盛り込んじゃって収拾がつくの?としか思えないんですね。

実際…今回の内容を振り返ってみても、謎めいた要素が追加されただけで

話が大して進展していないような気がしましたし(汗)

 

1話の冒頭で思わせぶりに提示されたのは「20年前の父の死」で、

それから12年前に遡って…まぁ〜大学時代の青春の描写やイチャイチャシーンが多かったものの、

父の死には真樹が関係している事が明らかになった。

じゃあ2話はその続きで、2つの謎を追う話になるのかと思いきや…

なぜか全く別の案件を軸に物語が展開され始めるわ、

現在の話を一旦中断して、貴志との馴れ初めから付き合い始めるまでのエピソードを

バカ丁寧に映像化するわで。

2つの謎については最後までなるべくお預けにして、最終回で一気に点と点を繋げて

伏線回収(苦笑)する形で盛り上げようとする作り手の意図が見え見えで、

2話にして、既に露骨な引き延ばしさえ覚えてしまいます。

 

もう1つ疑問だったのが、大学での真樹との再会シーンで、

1話2話連続でドラマチックな再会を描く必要性が感じられなかったんですよね。

どうせ大学で会って、奏が当時の真相を聞き出す描写をするんだったら、

じゃあ前回のくだりは何だったの?っていう。

で…肝心の真樹の返事はSNSbotアカウントのごとく、話が全然噛み合っていない。

特に手がかりも掴めないままこのシーンは終了(汗)

数年越しの再会という設定にする事で

視聴者に「エモい」「切ない」と言わせたかったのかもしれませんが、

…ストレートに言っちゃいますが、本当、無駄なやりとりだったと思います。

 

このドラマ、今の所は、現在のパートがなくても、現恋人の存在がいなくても

十分サスペンスになりそうなんですけど、

果たして最終回までに、物語に納得出来る日が来るんでしょうか。

あと…納得出来るかというか、馴染めるのかどうかでいうなら、主題歌も。

前回の感想で浮いてしまっていると書きましたが、

今回の、激しい口論シーンの裏で流れる艶めいた曲調がね…

もう合わな過ぎて、ムズムズしてしょうがなかったです(笑)

書き下ろしなら話が変わってくるんですけどね。

あれほど、ドラマの世界観と主題歌が合わない事も中々ないかと…w

※元々、再来週から始まるNHKの火10初回まで本作の感想を書く予定でしたが、

次回の感想は…スルーする可能性が高いです。

 

 

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95(キュウゴー) 1話 感想|「昔のこと」では片付けられない。

 

 

今期の春ドラマの中で楽しみにしていた作品の1つ。

深夜帯のドラマなのに「テレビ東京開局60周年連続ドラマ」と銘打っていた事、

テレビ東京で1時間枠なのはここ「ドラマプレミア23」と金曜8時しかないし、

後で調べたら、金曜8時の方でも同じような名前がつけられていたけど)

髙橋海人さん、中川大志さん、松本穂香さん、細田佳央太さんなど

全体的に知名度の高い、プライム帯の放送でもおかしくなさそうな役者さんを揃えている事から

かなり力の入った作品になるかもしれない…と、視聴前から期待しておりました。

 

「開局60周年〜」でいつもより予算がしっかり押さえられているのか、

1995年の高校時代と、それから29年経った現在の世界の主人公を

同じ方が演じられるという事もなく。←おっと、何かのドラマの話題は…(苦笑)

ちゃんと時の流れを感じさせるキャスティングになっていて、そこもまた一安心。

高校生集団にスポットがあたるので、若さ故にガヤついた騒がしい雰囲気にならないかと

少し心配な部分もありましたが、いざ視聴してみたらその心配も払拭され、

今期の掘り出し物になりそうな可能性を感じさせる初回でした。

 

本作では「95」というタイトルだけあって、1995年の渋谷を軸に物語が展開されて行きます。

ノストラダムスの大予言、ルーズソックス、テレホンカード…

出てくる物1個1個懐かしめるんですが、

話が進んで行くごとに、どうも「昔の出来事」では片付けられない、

自分事のように置き換える感覚でつい見てしまうのです。

 

中でも刺さったのが、地下鉄サリン事件が起こった日の学校でのシーン。

クラスではその話題で持ちきりになって、急に家族の事が心配になって

公衆電話のある場所に行こうとしたら既に行列が出来ていて、

電話している最中は後ろでずっとザワザワした声が聞こえる…という

一連の光景が何だか異様で。

その異様さが、私にとっては13年前の震災の時と重なってしまったんですよね。

当時は…日常的に放送されていたバラエティや音楽番組が一気に報道番組に様変わりして、

CMは某公益社団法人のものだらけに。

苦情が来て今は廃止になった「え〜◯〜♪」の音楽を毎日耳にして

ちょっと気が狂いそうになった時もあったし、

報道番組の裏で頻りに流れていたピーー…(←分かるかしら…)の放送音は今でも覚えていて。

日本ってこの先どうなっちゃうんだろうと、漠然とした不安を抱えながら

過ごしていたっけなぁというのを思い出しました。

 

翔太郎(中川大志)が「1月にでっかい地震が来て(中略)

戦争か〜ウイルス?さすがにそうなったら笑っちゃうよな」と

言っていましたが、信じられない事に、本当にその通りになっているんですよね。

でも…世界はまだ終わっていないし、何とか生き延びている。

規模は違えど、人々の不安を襲う出来事が形を変えてやって来るのは

昭和も平成も令和も同じな訳で、ずっとループしている。

だから…上手くまとめられませんが、この物語を最後まで見届けるべきなんだと、

向き合うべきなんだと、そんな気持ちにさせられます。

 

秋久(髙橋海人)はよく走りますね。

日本の、世界の「終わりのその先」を、自分がどうなってしまうのかを

早く知りたくて追い求めているようにも映って、ここも印象に残ったポイントでした。

髙橋海人さんは「だが、情熱はある。」でもそうでしたが、

良い意味でのちょっとした雑さがあると言うか、

人間臭さの中にじっとりとした情熱を宿している役を演じさせたらピカイチだと思ってます。

光が消えた目の演技も素敵。

普段ボソボソっと喋っているから、何か発言しようとする時に

「俺は!!」って急に大声出して、ボリュームの調整が不器用になる所なんかも、

陰キャの特徴を上手く捉えられていて自然なんですよねぇ。

 

お話自体は、後から冷静に考えればそんなに進んでおらず、

まだまだ序の口といった感じなので掴めない部分もあるんですが、

映画っぽい映像美も相まって、引き込まれるように見てしまったのは確かです。

1995年のヒット曲も、毎回違うものが流れるんでしょうかね。

ただ懐かしめるだけでなく、秋久のその時の心境を投影しているかのような

選曲センスとタイミングも絶妙だと思います。

 

とにかく、今後の展開が気になります。

月10はまだ始まっていませんが、私の読み通り(やった!)、

月曜のドラマの中では一番良さげかもしれません。

 

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