内田有紀さん演じる賎ヶ岳の空回りっぷりが、もう見てていたたまれなくてね…(泣)
彼女ほどではないかもしれないけど、私も何でも一人で抱え込もうとしがちな性格なので、
つい感情移入しながら見てしまってました。
一度ブランクがあると色々な事が不安になってくるんですよね。「休む」って怖い。
だから、過去の自分を取り戻したい。また社員たちに認められたい。
その気持ちは突き刺さるほど伝わってきたなぁ…。表情に「焦り」が見えるんですもん。
育休取得不足。「これだから子持ちは」と未だ言われ続ける世の中。
時代は案外変わってないのだという言葉も納得です。
「今ここで帰ったら負け」と強がりを見せる賎ヶ岳の気持ちも確かに分かる。
でも「それは違うよ!」と思わずアドバイスをしたくなってしまいました。
そもそも、定時=負け という認識が間違っているんですよね。
定時に帰ることが何もおかしい訳ではないのに、
本人が焦ってそう捉えてしまう根本的な原因には、
働き方改革を「目指します」止まりで終わっている何ら社員には浸透していない会社方針と、
時間を多く費やす働き方が当たり前…"時短は頑張ってない"みたいな風潮にする
現代社会にあると思うんです。
1日でやるべき仕事を時間内で全うする。残りの時間で自分を労わる。
このドラマをきっかけに、いつか皆がこんな働き方が出来たら良いのになぁと。
つくづくそう考えさせられました。
中盤まで、賤ヶ岳の私生活と会社における不器用さと痛々しさが十分に描かれていた為、
後半の東山と社員たちによる「小籠包奢る為に全員定時に帰らせる作戦」
という可愛らしい思いやりを受ける姿には、ついつい涙が…。
Superflyの爽やかな主題歌の入りも合わさって、
彼女と同じ「救われた感じ」を味わえた瞬間でした。
実はかくれんぼがバレていたというオチではありましたが(笑)
精一杯かっこいい先輩ぶろうとしていた時よりも、
笑顔が自然と滲み出ているのが見て取れたのが良かったです。
構成的には、やっぱり訳あり社会人を一人一人主人公が救っていくお話のように
思えるのですが、強いていうなら、主人公のポリシー「定時で帰ることは素敵な事だ」を
もっとメッセージとして伝えていった方が、本作らしさも出てくるんじゃないでしょうか。
現代の育休明けママの事情や苦悩をリアルに映し出す…のも見応えはあって良いのですが、
脚本面でも演出面でも「定時で帰る事」に説得力を持たせないと、
あのままじゃ自分だけ勝手に定時退社してるように思えてしまったので。
ただの社会派ドラマじゃないもうひと工夫が欲しい所です。話自体は面白いけども。
部長の福永(ユースケ・サンタマリア)の方は、何が危険なのか、
育休明けの賤ヶ岳をいきなりリーダーにするなど何を考えてるのか
相変わらず謎の人物のままですね。
で、最後では新人の来栖(泉澤祐希)がやらかしたらしく…
1話のイライラする新人と同じ結末にならない事を祈ります。
きっと、賤ヶ岳と同じで承認欲求があるのかも?
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