罠の戦争 4話 感想|鷲津も雑草を踏みつける側の人間だった…

 

 

あんなに敵意をむき出しにしていたのに、随分あっさり引き受けてくれたなぁ…

今回はベタな人情劇で行くんだなぁ…とは思ってました。

でも、最後にはビックリ。

いやぁ…ラストシーンを見せるために、全て構築されていたんですね。

 

これまで亨(草彅剛)が「弱い者」を何度か口にしていたのもそうですし、

今回に関しては、眞人(杉野遥亮)の雑草と野草のくだりや

梨恵(小野花梨)の「パワハラに遭ってた時に唯一気づいてくれた」エピソードを通して、

2人は今後も亨の仲間としてついて行く意志を覗かせる描写が同時にあった所に

妙な感じを受けたんですが、

それらは、亨に同情が行くように誘導されていた視聴者への"罠"だったのです。

1話だけで物語が完結しない、連続型のドラマだからこそ成せる技で、

単純な復讐劇・勧善懲悪ではないんだろうな…というのは薄々分かっていたにしろ、

話の見方がガラッと変わってしまうどんでん返しには惹きつけられてしまいました。

 

で、もう1つ、変な言い方ですけど、

前回と今回を見て「なるほどな…」と思った部分もあります。

というのも…復讐相手と亨を囲む事務所・議員の面々が、

結構、対比的に描かれている気がするんですね。

例えば、俊介(玉城裕規)や鰐淵(六平直政)なんかは

分かりやすい"敵キャラ"に仕立て上げられている一方で、

鷹野(小澤征悦)や鴨井(片平なぎさ)などは、

味方のままでいるのか?それとも裏切ってしまうのか?という

どちらにも転じる可能性がありそうな、

一筋縄では行かないキャラクターに仕立て上げられています。

 

その中でも面白いのは、彼に最も近い場所にいるであろう眞人と梨恵の描写で。

正義感を貫く亨と進む方向は同じつもりでも、細部を見ていけば、

三者三様で異なった価値観や境遇、想いを抱えている事が分かり、

その複雑さが物語に奥行きを生み出しているんです。

やっぱり"罠"がテーマになっているので、人間模様が複雑化して行けば行くほど、

どんな展開が訪れるのか興味が湧いてくるものなんですよね。

 

話はまた冒頭に戻っちゃいますけど…

それにしても、亨が「雑草を踏みつける側」だったと知った梨恵が

どんな動きを見せるのか、気になりますねぇ。

でも、忘れてはならないのが、名前も顔も家族構成も覚えているという

亨の記憶力の高い設定。

彼は元々知ってて、懺悔のつもりで眞人に協力を求めたのか?

あるいは、あの書類自体が誰かによる偽装だったのか?(この線は薄いかしら…)

何かしらの事情がない限りは、彼の設定と矛盾してしまうのでね。

 

自分は踏みつけられる雑草のつもりでいても、

過去では雑草を踏みつける側だったと後になって気づく…。

人間はそう簡単に聖人君子にはなれないという事実にはリアリティを感じさせます。

どう向き合っていくのか、ここにも注目しながら見ていきたいです。

 

 

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