トレース〜科捜研の男〜 1話 感想(長めです)|主人公が埋没…

 

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えーー…さてさて。まだ「3A」は見れていないから

本作が冬ドラマ最初の視聴となるわけで。

最近は弁護士ものや刑事物など、色々看板枠でチャレンジしてみようという所も、

30分拡大にして多くの視聴者に見てもらおうとする力の入れ具合も感じられる

「月9」の新ドラマが始まったのです、が…

 

うーん、何を描きたい。

何に力を入れたい?

作風といい、登場人物のバランスといい、言葉選びといい、

残念ながら全く掴み所のない印象で終わってしまった初回なのでした…。

  

まず、なぜ中途半端な作風になってしまったのかを考えるとするならば、

大きな欠点は「科捜研の男」に副題を変えてしまった事でしょう。

「沢口ノンナ」という人物がいて、唯一そこだけは狙ってるなーと思ったのですが、

蓋を開けてみたら全く某ドラマのパロディがされていない事にびっくり。

(私はパロディ元は見てないので知らないのですが、

SNS上ではその作品が好きでツッコんでいる方はお見かけしなかったのは確か。)

単純に視聴者を釣るために副題を変えただけなの?

としか思えません。今後もパロはないのだとしたら、ちょっとガッカリです。

注目は浴びやすい枠だし、人気女優さん俳優さんも呼び寄せているのだから、

普通に原作通り「科捜研法医研究員の追想」でも良かったんじゃないですかね。

 

そして、放送がその月9であるが故に、月9の持つライトさが

本作の雰囲気を邪魔してしまったような気がします。

独自の世界観を描き切る作品が多い火9や木10とは違って、

月9は良くも悪くも "出演者目当てで、誰でも見やすくする" 作品を多く作ると

個人的には思ってます。そのため、作りは若干軽めです。

 

開始30分にして解決の糸口が見えてきそうな展開にした辺り、

スイスイと進めるのかな〜と思ったら…

意外とグロい所やゾッとする所も盛り込んできたり、でも突然ラブを仄めかすような

真野(錦戸亮)とノンナ(新木優子)の二人っきりのシーンも入れてきたり、

スローモーションとちょっと悲しげな劇伴を足してそれなりに重たく見せてきたり…

どれも満遍なく取り入れようとするから「で、何がしたいの?」としか言えないんです。

 

その「で、何がしたいの?」は登場人物にも言える事です。

(というか、こっちの方をもう少し整理して欲しいかも(笑))

主人公、誰なんですか?

役者を目立たせようとする見せ所ばかり拘っていませんか?

 

人狼でしかもクールで、声も息をするかのように大人しく喋る、

どちらかと言うと控えめな性格なのが、主人公・真野。

それに対して、キレやすくて声も一々大きいし、

何かと間近でつっかかってくるのが虎丸(船越英一郎)。

もう一人が、新人が故に感情も出やすい初々しさを持つノンナ。

 

役者の演技をも含めて

このそれぞれの性格で誰が一番目立つかというのを考えてみると、

真野<<<ノンナ<<<<<<<<虎丸 なのは目に見えているはずでしょう。

主人公を目立たせようと、出番をもう少し吟味出来ませんでしたか?

そして、特に虎丸の場合は、配役が船越英一郎さんの時点で

既に存在感が大きいのは分かってるはずでしょうから、

声の大きさや怒鳴らせ方の演技指導をもう少し工夫出来ませんでしたか?

 

他にも気になる所は色々あって、取り上げてみるならば…

科捜研に対抗する熱い刑事という設定や、

最終的に科捜研にやられて(今回は引き分けとの事ですが)

「次は勝つからな!」って言い残す設定とか、ですかね。何の新鮮味もないんです…。

あと、「この世に幸せのない人間なんていちゃいけない」

「やっぱり最後は正義が勝つんですね」など、

やけに嘘くさいヒーロー気取りのような台詞も

もっと濁した方が良いと思います。それが余計に月9っぽい軽さにしてしまうんです。

劇伴もゴチャゴチャしてるしのう…。

 

言いたい事言ったら初回で長くなってしまいましたが(笑)

まぁ、そうですね…錦戸くんを応援するつもりで、

今後面白くなって行くと良いなぁと思いながら見続ける予定ではありますよ。

最大の不安だった30分拡大でも、間延びしなかった点は良かったですし。

 

余計なお世話だけど、月9、頑張って〜〜…

 

 

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