回想の見せ方も、キャスティングのハマり具合も、チームとしての描き方も、
今回が一番良い出来だったんじゃないでしょうか。
ここ最近は菊田(亀梨和也)の存在感もちゃんと出せていますし、
1つの事件の手がかりとなる物を各人数で手分けして探してるのだと思わせる
場面転換も上手くなってきました。
中でも、特筆すべきは今井悠貴さんの演技力の高さです。
ざっくり言うならば、この方の起用なくして見応えのある結末ならず…といった感じ。
過去の辛い出来事を思い出しては涙ぐみながら、それでも声を振り絞って
精一杯伝えようとする姿には、自然とじっくり見入ってしまうものがありました。
不憫役が多い印象ですが、それだけ起用される意味も十分に分かります。
過去の辛い出来事、といえば、葉山(葉山奨之)が被害者に
自身の経験を告白するシーンも良かったです。
1つ1つ言葉を選びながら何とか寄り添ってあげようとする気持ちが伝わってきました。
あの母親じゃなかったら…という、今回の事件が後悔と苦さしか残らない「絶望」ならば、
同じ苦しみを共有して心を和らげる可能性の秘めている葉山のパートは
「希望」なのかもしれません。
そういったささやかな対比がされていたのかなぁと思います。
演技と回想で存分に切なさを味わってからの
終盤の姫川(二階堂ふみ)の台詞の流れだったので全く説教臭さもなく、
「案外特別な事じゃないかもしれない」がストンと腑に落ちましたね。
でも、今までで姫川を思いやる描写が少ないためか、
「主任のそうじゃない所はいっぱい知ってる」と菊田が言っても
そんなに苦楽を共にした関係だったっけ…?な感じはちょっと否めませんが。
最後のシーン。雨の音はしてるのに降ってるのがあまり見えない演出は
珍しいな〜と思ってたんですが、次回の「インビジブルレイン」の
バトンタッチを表すものだったんですね。何だか粋でした。
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