昭和元禄落語心中 9話 感想

 

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何度も言ってますが、役者の力って凄いですね。本当に。

 

勿論、喉がしっかり年を取っているようなメイクの技術も素晴らしいのですが、

その見た目に負けず劣らず、というか、衰えを感じる哀愁漂う老人っぷりが

見事に演技で伝わって来るんです。もう完全に八雲なんです。

岡田将生さんは個人的に好青年なイメージなので、

最初に白髪姿を見た時には戸惑いが大きかったですが、今はすっかり忘れているくらい。

 

ストーリーの方も、時間軸をややこしくしない程度に今までの回想をじっくり重ね、

八雲の身の回りの変化を改めて感じさせるような構成が上手いんですよね。

 

かつて一人の人生を送っていた八雲には、気がつけば

小夏(成海璃子)がいて、家族がいて、お風呂に入ったり線香花火をしたり出来る

何気ない日常があって…

時を経て、充実したもので溢れていた。と同時に、未練も大きくなっていった。

 

それを実感させたのが「たちきり」の落語。

恐らく、小夏に比喩表現で真実を伝えようとしていたのかもしれません…。

話している最中にみよ吉(大政絢)が迎えに来て、

いよいよ「死ぬ時は落語をしながらコロッと行きたい」という本望が叶うのか、

と思いきや…今の八雲にはそれが出来ない。

 

「未練だねぇ…まだ生きてら」そう言う八雲の目には葛藤が見えていて。

ああ、死を引き止めてくれる程の大切な人が出来たんだと思うと…

感情がグッとこみ上げて来てしまいました(泣)

仮に亡くなったとしても、松田(篠井英介)が伝えてくれるのでしょうが、

やっぱり長年育ててきた娘ですもん。

親として、助六を失った者として、しっかり伝えておきたいですよね…。

 

現在の助六竜星涼)の威勢の良い落語と、訥々と静かに話す八雲の落語で、

「若さ」と「老い」の対比が感じられるシーンも印象的でした。

(松田さんのカツラを覗いて(笑))脚本も演出も、役者も美術も…

本当〜によく出来てます。泣いても笑っても次回が最終回なのが寂しい限りです。

 

 

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