スキャンダル専門弁護士QUEEN 1話 感想|初回の掴みはバッチリ

 

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開始10分程で「あ、これは良いかも」と思い始め、

そのままの気持ちで最後まで面白く見られましたね。

話のテンポも良く、あっという間の1時間弱でした。


今期は3本も弁護士ドラマがある中で、本作は

「法廷には立たない」「危機管理を担当する」スピンドクターという

かなり斬新な職業を取り扱ってます。

その物珍しさ故、仕事内容の説明や5人のメインキャストの紹介も

もう少しあっても良かったんじゃないかとは思いますが、

とりあえず、「こんな人がいてこんな活躍をするんだな〜」という

ある程度の理解は掴めました。

 

本作の一番の面白さは、何と言っても "会話劇"です。

内容の6割はそれで充実した作りになってます。

事前に番宣を見た時に「弁護士ドラマなのに難しい言葉が出てこない」と

主演の竹内結子さんが仰っていたのですが、本当にその通りで、

各登場人物の思わずクスッとしてしまうやり取り、行動に繋がるきっかけは、

全て日常的な会話から生み出されていました。

キャラクター監修はバカリズムさんが担当されているだけあって、

それぞれキャラ立ちはしっかりされてましたし、

時にミニコントみたいな部分も感じられて、ここだけでも楽しいのです。

 

でも「ただ楽しい」だけじゃありません。

洒落た映像、劇伴、コミカルなやり取りの、一見ライトに感じる内容の本質には、

今だからこそ出来る強いメッセージ性も秘められています。

 

今回の場合は、芸能界やテレビ業界の裏事情を反映し

「もっとありのままで生きていたいのに、世間に抑圧されて苦しんでいる自分」を

かなり攻めた姿勢で書き上げる内容となっていました。

見ていて、3年前の某解散騒動とか、某アイドルの今のニュースとかと

偶然重なる部分がありましたね…。

ある意味、この時点で放送する意義はあったのかもしれません。功を奏しました。

 

その点で、フォレストへ感情移入させる流れは上手かったのですが、

中でも特に印象的だったのが

氷見(竹内結子)と与田(水川あさみ)が屋上で交わした会話のシーン。

氷見「何かさ、気の毒だよね。周りが勝手に作った

   純潔で可憐なアイドルにがんじがらめになってて。」

与田「でも、その人はアイドルになりたかったんですよね。覚悟してるでしょ。」

氷見「でも虚像に当て込まれるのは誰だって嫌だよね。」

氷見「世の中の30代半ばの働く女のイメージは違うんだよ。

   こう、なんか…寂しくて可愛くて荒んでるの。」

  「そのイメージを崩そうとすると、年齢に抗おうとする痛い女として叩かれる。」

与田「何か腹立つ〜!」

氷見「でしょ。アイドルだって同じように感じる時もあるって事。」

この伝えたいとする事を何気ない日常会話に落とし込んでいるからこそ、

より深く考えさせられるんだと思います。

 

最近はドラマでも音楽でも、マイノリティがマジョリティに立ち向かったり、

様々な価値観があるんだと伝えたりするものが増えてきましたが、

本作も今後の描き方次第では、かなり化ける作品になるかもしれません。

 

ストーリーに関しては、1人の女性のために全員で作戦を練ったという内容や、

ユーチューバーを呼び寄せた意味など、若干強引な部分はありましたが…

今回はそこを役者陣がカバーして、最終的に見応えが増す結果となりました。

 

本当に面白いと感じられるかどうかは次回からが本番でしょう。

率直に言うと、脚本力にかかってると思います。

素敵な作品になると良いな〜と願いながら、次回も楽しみにお待ちしてます!

 

 

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