「障がいを負って学んだ事は山ほどあるけど、
障がい者で良かったなんて思った事は一度もない」
と言う樹(松坂桃李)の率直な台詞が印象的でした。
なりたくてなったんじゃないんですもんね。今だって健常者が羨ましいと思うに決まってる。
障がいを扱う番組って大抵が「障がい者になっても幸せは掴みとれるんだよ」みたいに
美化されがちな傾向にありますが、
晴人(松村北斗)が自暴自棄で放った言葉も含めて、
なった者にしか分からない"やりきれなさ"と"絶望感"をしっかり見せる所に好感を持てます。
そんな感じで、基本的に温かい目で視聴してはいるのですが、
今回は疑問に感じる部分が少々目立ってきたような気がしました。
つぐみ(山本美月)のキャラが重くなったっていうのもあるんですけど…
ヘルパー・葵(中村ゆり)の描写はあれで良いのか?と。
今は一人暮らしの身とはいえ、既に婚約していて
(樹の脚を「その程度」と言ったくらいだから)
職業柄 他にもっと救うべき患者もいるでしょうに、
「樹の近くのマンションに引っ越す」「私しか面倒は見れない」「ポジションは渡さない」
など、ストーカー気質のライバルとして描かれていたのが個人的には引っかかりました。
別に樹に対する恋心がある訳でもないのに、
つぐみと同じ土俵に立たせるのが不自然と言いますか…公私混同が激し過ぎますよね。
あと、「互いが互いを支え合う物語」として、日常を大切に過ごす二人の様子だけでは
展開が地味になってしまうのは分からなくもないですが、
最後のホーム転落シーンは流石にやり過ぎだったと思います。
以前あったいきなり突っかかってくる男性もそうですが、
あからさまなハプニング要素を入れなくても、障がい者ならではの苦悩の描写も含めて
十分見応えはあるのに…そこら辺が惜しい。
今回の感想は若干厳し目になりましたが、"樹とつぐみの二人で"困難を乗り越えていく
物語になって行く事を期待します。
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