今期の本命、いよいよ始まりました。
今期数少ないオリジナル脚本である事。そしてその脚本家が森下佳子さんである事。
「地下アイドル」「推す」がテーマだという企画が斬新で、興味深い事。
今まさに旬な(だと思っている)桜井ユキさんと白石聖をキャスティングしている事。
これらの理由から「2019年 夏ドラマ 視聴リスト&期待度」では星★5を付けるほど
期待しておりましたが、やはり期待以上に本作を「推せそう」な感じのする初回でした。
リア充気取りの日々を過ごしていた主人公・愛(桜井ユキ)がある日恋人にふられ、
しまいには宝物の存在のスマホを落としてしまい、その拾い主の所へ駆けつける際に
初めて出会ったのが地下アイドル。
中でもハナ(白石聖)の姿がまるで自分の姿と重なってしまい、最初は八つ当たりをするも
前向きな彼女を見て応援しようと決心する…までの流れが描かれていたと思いますが。
周りより良いように見られたい気持ち、「いいね」が欲しいという承認欲求、
どん底からわずかの光を見つける「沼に陥る瞬間」など、
まるで視聴者が実際に体験してきたかのように等身大の視点から
主人公の置かれた状況をじっくり描き、
それも説明臭くなく、魅力的に映る仕上がりになっていた事でしょう。
「この人はSNSに依存しているんだ」「何かにのめり込んでいるんだな」というのが伝わる、
黒を背景にして、熱中している人にフォーカスを当てた画面の演出も粋。
地下アイドル×深夜ドラマなのもあり、ディープで少し幻想的な映像の魅せ方も美しい。
終盤で愛とハナが握手をする様子をじっくり見せるのには、思わず目頭が熱くなりました…。
アイドル役の白石聖さんも、「絶対正義」の頃とは全くの別人で、
髪型が似ていてもこちらの方は、悍ましさと威圧感が皆無なのが本当に凄い。
地下アイドルっぽい表情、仕草、されてます。
NHKのドラマは今年になって「特撮」「腐女子」そして今回の「地下アイドル」など、
かなりテーマを攻めていまして、また前2つと同じくマイノリティだからこその
今時の心情を描くのかな?とも思いましたが、どうやらそれだけでもないようで。
希望、優しさの中にほんの毒を入れるのは、さすがの森下脚本という所。
なぜ愛が取り調べられているのか?なぜ病院搬送のシーンがあるのか?
タイトルに「推す行為」と「押す(突き落とす)行為」の2つが
かけられているのでは?とも考えられる、中々次回への引きが上手い初回でした。
(タイトルロゴにも手押しで「し」が傾いてる工夫が見て取れますしね〜。)
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