病室で念仏を唱えないでください 7話 感想|醜態を晒さずに死ぬ…は不可能に近い

 

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昨日の「アライブ」の感想で、本作の先週の内容と重なる部分がある…と描きましたが、

今回は更にリンクしていました。

 

「私は私のまま死んで行きたい」「醜態を見せる事なく正しく死んで行きたい」と

自身のブログに記していた憲次(泉谷しげる)。

けれども、実際に考えると、延命措置をとったとしても

誰にも迷惑かけずに死ぬ事は不可能に近い。

将来のビジョンは自分で決めるし頼らない…と固く決意したとしても、

勘当していたり先立たれたりしていない限りは、家族の繋がりは切っても切れない。

 

だから、「迷惑をかける」と思わずに、自分の命は自分だけのものではないという事、

大切な人のために病と闘う生き方もまた価値のある事だと気づかせる行動に出る。

そんな松本(伊藤英明)が影響を受けたのは、前田(戸田菜穂)の存在。

 

前田は、憲次とは「延命措置をとらない」共通点がある一方で、

「娘に憎まれ口を叩かれながら死にたい」、死に際にあえて家族に会いたいという

真逆の考えを持っていた。

結果、彼女は安堵の表情を浮かべて、娘にネイルもしてもらって旅立っていった…。

前回に引き続き、患者のエピソードが物語上で必ず無くてはならないものになっていて、

そのエピソードを通して、松本のある意味"お節介"なキャラクターが

前面に押し出された作りになっていたのが良かったです。

 

一方で、松本と濱田(ムロツヨシ)の考え方の違いも、ここに来て明確になりましたね。

「生死」という言葉に敏感な松本と、「ラッキー」という言葉に敏感な濱田。

 

最後のペースメーカーの件は、濱田による実験だと思われますが、

彼なりにしっかりとした理由があるのでしょう。

子供の頃にたまたま良い先生に診てもらえて、心臓を手術してくれた経験をした分、

もしもすぐに順番が回ってこなかったら…

もしも自分と同じ状況であったはずの患者が救われなかったら…と不安になる気持ちが人一倍強い。

投資家と医療コンサルタントは、(中の人的に)胡散臭さが漂っていたものの、

融資をしたのもきっと、生きる希望を見出せない人を助けてあげたいという

思いやりから来ているのかもしれません。

 

次回から最終章。2人の対立関係がヒートアップしそうです。

濱田が「多くの患者を救いたい」点では松本と一緒な事は

回を重ねるごとに薄々察しているので、

あとはどうやって同じ方向を向いて行かせるのか…落とし所が気になります。

 

 

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