なるほど、こういう展開になるんだなぁ…という面白さでした。
様々な人々が自分らしい「人生リセット」をし、自分らしい「リブート」を歩む回。
「可愛くて面白いから優しくしたい」気持ちで人と接していたゴン(中村倫也)。
誰にでも親密そうにしているようで実は「ただ距離感が近い」だけで、
実際は相手にどうやって接して行けば良いのか、愛情とは何なのかが分からない
不器用な一人だった。
けれども、そんなぽっかりと空いた心に凪(黒木華)との思い出が入り込み、
初めて「恋」という感情を覚える。
「ん…?」と微かな揺らぎを見せる彼が、初々しく可愛らしい。
一方、凪との関係を断ち切った慎二(高橋一生)は、
市川(唐田えりか)からのアプローチを受け、交際を始める…。
こちらは、一時的なものでまた未練が蘇っちゃうんじゃないかと最初は思いましたが、
手を繋いでバーに行くあたり、本当に市川の事が好きになったみたいですね。
凪と付き合ってた頃だったら「ヘドが出る悪口」なんて彼女を庇わなかっただろうし、
多分オススメのお店に連れていったりもしなかったかも。
それくらい慎二も「本気の恋」をした、という事。
凪はうらら(白鳥玉季)が自慢に思う母・みすず(吉田羊)の仕事姿に影響を受け、
「自分に誇りの持てる何か」を探す旅に。
どんなに悪口を言われようが、自分にはこれ!という物がしっかり備わっていれば
勇気を持って踏み出す事が出来る…
ママ友シンポジウムの空気を変える仕事仲間の様子をも見て、そう強く感じたと。
で、今回の旅から得たものは、ゴンとの一線を超えそうな関係を断ち切る事で、
まだまだ自分探しは始まったばかりな状態。
みんながみんな、何かを断ち切っては新しいスタートを切り、
何かを得て変わっていく。
そして、いつかまたどこかで過去の人と再会するまでが、生きてる上でありがちなセット。
人生は出会いと別れの繰り返し、とは聞くけれど、本作はまさにそのループで出来てて、
人生って結局はこんな感じなんだよなぁというある種の滑稽さが、
伸びやかでのほほんとした劇伴によって見事に引き立てられています。
また、ゴンを例えたシーンから拝借して、
本作も「ちぎりパン」のような面白さがあるなぁとも。
色んな人物がいて、色んな性格や個性があって、色んなリブートの形をとっている。
どれも美味しい=どの登場人物の動き・成長過程も人それぞれで興味深いから、
また食べたい気持ちになる=この人は最終的にどんな人に変わって行くのだろう?
などと、早く次の話が見たい欲に駆られてしまう。
どの人も人間臭くて、どの人にも共感出来る部分はあるから、どの人も応援したくなる。
本作はそんな「ちぎりパン」のような魅力がいっぱい詰まってますね。
↓次回の感想はこちら↓
↓前回の感想はこちら↓