いやはや…もう、松本まりかさん劇場でしたね。
「ホリデイラブ」で爪痕を残して、それからゲストや他ドラマなどでも
狂気的な人物をみっちり演じられる方と言えばこの方!ってくらいの
安定感と信頼感は元々ありましたが…
まりかさん本来の魅力が今回でより研ぎ澄まされていた気がします。
最初は弟が逮捕されて悲しげな表情を見せる親族の一人かと思いきや、
途中から本性が現れんばかりの悪女っぷりを見せ、
終いには、真相が明らかになった途端
子供っぽい純真無垢な女性へと三変化を遂げてみせました。
中盤までは「流石のまりかさん」という感じでその時点で十分見応えがありましたが、
母親や祖母の事を話し出した時の彼女の姿は最早「可哀想な女の子」そのものでしたもんね。
最初と最後でここまで役に対しての印象を自ずと変えられる演技力…
いやぁ、本当、凄い。凄いとしか言いようがないです。
勿論、弟役の今井悠貴さんも、何か訳ありの犯罪者役を演じられたらピカイチで。
特に、松本まりかvs今井悠貴 での目力による心の会話の応酬シーンは息を呑むほどでした。
祖母役の鷲尾真知子さんも、ただの寝たきり老人役じゃないだろうなぁとは
予想してましたが、真の黒幕として存在感を発揮されていたように思います。
内容的には、姉じゃなくて実は祖母による誘拐事件だったという
どんでん返しな展開も楽しめました。
強いて言うなら、姉弟共に未成年にすれば、両者が強い絆で結ばれている設定にも
説得力は増すかもしれませんし(大人でそんな仲良いのかな?って)、
両親が亡くなって何年も祖母との三人家族として一緒にいる割には、
「互いが互いなりに愛情を持って接している」エピソードがほぼ台詞だけで片付けられて
駆け足だったなーという気がしないでもないですが。
あとは、真面目に取り調べしてきたキントリチームが
今回になって違法手段を使いまくってて、
ちょっと今までとカラーが違うのでは?とも思いました。
どんでん返しも面白かったですが、
それよりも役者の三者三様の演技力の勝利といった所でしょう。
演技が素晴らしいだけで作品に対する印象も変わります。その点では抜群の出来でした。
↓次回の感想はこちら↓
↓前回の感想はこちら↓