行列の女神〜らーめん才遊記〜 3話 感想|客は情報を食べる…に納得。

 

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このドラマには、毎回 "学び" があっていいですねぇ。

1話の時から「インパクト重視だけでは長続きしない」とは語られてきましたが、

今回は新人であるゆとり(黒島結菜)の目線になって、それを具現化してみせたお話でした。

 

コンサルティング(メニュー開発)対決という事で、ドラマとして盛り上げるなら

無難に「どちらのラーメンが採用されるのか」といった味の優劣を決める作りを

最優先してしまいがちですが、

それだと劇中にもあったTVショーのような、視聴者の向こうの世界で繰り広げられる

超人同士の対決にもなってしまいかねません。

しかし、本作の場合は、「仕事」とは好きな事を突き詰めるのではなく、

あくまでもクライアントありきで成り立っているのだ…という説得力を持たせる

作品づくりが出来ています。

本人の才能や努力に頼った展開にせず、この店の立地はどこで、何が長所で何が短所か、

市場調査をした上で提案した料理の問題点は何か、お客様は何を求めているのか…

そんな一連の流れを難波(松井玲奈)との絡みも通して描かれているので見やすいですし、

激戦区に立地した者同士による「レシピ交換」などの新たな知識を得られる楽しさもあります。

 

「客は保守的で、誰かの推薦や知名度をもとに食べて帰っていく」

「つまり、彼らは情報を食べているのよ」

芹沢(鈴木京香)がそう言い残したシーンの後でゆとりが食べていた

ラーメンが凄く美味しそうなのが印象的で。

落ち込んでいる時、お腹が空いた時、ふと食べたいと思うのは

血豆腐を使ったつけ麺よりも、やっぱり長年愛されて慣れ親しんでいる

普通のラーメンなんだよね…と考えさせられるオチの持っていき方も良く、

満足して見終えました。

 

強いて言うなら、つけ麺店の激戦区にとんこつラーメンで勝負して、

とんこつラーメン店の激戦区でつけ麺を出せば成功するものなのか?とは思いましたが、

「ビジネスの在り方」を描く作品なので、そこはあまり気にしないで良いのでしょう。

…他に気になると言えば、松井玲奈さんになぜ関西弁の役をやらせたのかも

気になりましたけど(笑)←関西人じゃなくても少しぎこちなく感じて…w

 

一方で、ライバルとして本格的に登場した高畑淳子さん。

「アライブ」の頃の気さくで時に弱さも見せるおばちゃんの面影は全くなくて、

喋り方やオーラからしてグループを率いるボスママ感を醸し出している、流石の役者っぷり。

芹沢とのこれからのバトルも面白くなりそうです。

因縁はテレビショーでの事だけ?

回を重ねるごとに関係を深堀りしていく展開があるのでしょうか。

 

 

Twitterの公式垢によると、本作はクランクアップしているとの事で、

その点では安心して見られますね。

(いつも来週の番組表をチェックしたりして

「次回はやるのかどうか…」とそわそわした気持ちでいるもので^^;)

予定通り放送したものの3話辺りで中断される作品も多い中、

まだ続きが見られるという「普通」の有難みを噛み締めながら、

来週以降も期待していこうと思います。

 

 

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