フェイクニュース 後編 感想

 

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「落ち着こう!息吸おう!」

多分、このドラマはこれを伝えたかったんだと思います。

嘘情報の拡散や炎上問題、青虫が落ちるなんて事も、

これからずっと頻繁に起こる可能性のある世の中。

面白がる前に、勢い任せになる前に、一回考え直してみたらどうだろうか…と。

自分の気持ち次第で、騒動が広がらずに済む事だってあるんだよ…という、

今の社会に対しての警鐘だったのかもしれません。

 

ストーリーとしては、終盤の、猿滑(光石研)の演説→難民→1ヶ月後

のくだりが多少漫画的で、駆け足気味だったのは否めませんが、

落とし所の読めない展開に最後までハラハラし、面白く見られました。

 

残り10分程で、難民騒動が出て来たのにはビックリしましたけど(汗)

スマホやPC越しでの拡散や炎上は、相手の顔が見えないから平気でやれる事でも、

現実で視覚化させたらこうなるんだよ…という皮肉的表現だと捉えましたね。

とても勇気のいる演出だったと思います。

もし、民放の連ドラでこのテーマが放送されていたと考えると、

反応を気にして和らげた表現になりかねないし、賛否両論で最後までメッセージを

伝えきれずに終わってしまう事もあるかもしれません。

そういう意味では、前後編でスパッと描き切るスタイルで良かったんだと。

 

ただ、その前後編が故に勿体ない部分も見受けられました。

前編はネット社会中心で興味深く感じられたものの、

後編は「政治問題」や「まとめサイト」、「難民騒動」など

色々な要素を入れた事によって、

猿滑の解決方法があっさり終わってしまったのが少し残念でした。

つまり、ちょっと散漫気味だったんですよね。

フェイクニュースだらけの現状」を紹介したかったんだと思いますが、

前後編よりかは全4話にして、

1,2話で「ネット社会編(猿滑のくだり)」

3,4話で「政治編(最上のくだり)」の構成にした方が

強引に終わらず、見やすかったんじゃないかなぁと。

 

色々言いましたが、作り手の意図はしっかり伝わったので、

それだけでも、見て良かったと思えました。

表現の自由

「自分にとって都合の悪い話は信じない。信じたいものだけを信じる」

「誰もが感情には逃れられない」

「私は多分、誰かに味方になってもらいたいだけなんだよ」

所々の言葉に、もう…心にグサグサ来るばかり。

 

自分のSNSの使い方、ネットニュースの見方を改めて考えさせてくれる

このドラマに出会えた事に感謝です。

貴重な2時間でした。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

rincoro-ht.hatenablog.com