同期のサクラ 3話 感想|"あんた"から"サクラ"へ。"百合さん"から"百合"へ。

 

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感情をむき出しにし、思いのままに話し、

正々堂々とぶつかるサクラ(高畑充希)と百合(橋本愛)の対峙シーンは

盛り上がるものがありました。

 

本音を互いに言えた事で百合は彼女を

「あんた」から「サクラ」と名前で呼んでくれるようになった。

逆も然りで、サクラは「さん」付けをやめ、距離が一歩近づいた。

大人しかいない島で一人育ち上京してきたという設定、

1話では「仲間と夢を叶えたい」「百合にキレられる」エピソードが描かれていた分、

サクラが送りムードを止めてまで説得の行動に出るのも概ね納得出来、

友達になれて本当に嬉しい…と涙を浮かべて笑みをこぼす表情には

少し感情移入してしまいました。

ただ、それはサクラの立場になってみたらの話。

 

脚本家が考えたサクラの描写の仕方の観点から感想を書くならば、

今回は今までとは違って「自分本位で動いている」ように見えてしまったのが残念。

基本的に、思った事は言いたくなる性格なのは分かります。真っ直ぐなのも分かります。

ただ、友達になってくれないかと頼む行為が、

寿退職を阻止し、会社に半ば強制的に連れ戻して良い事には繋がらないような…

と疑問に感じました。

 

友達だったら会社だけでしか出来ないとは限らないし、

結婚したってしなくたって、転職したって、夢を一緒に叶える方法は

どこかで悩みを相談したりアドバイスをもらったりと色々あると思います。

叱られたエピソードも、それはサクラ自身が受け取った形であって、

向こうが最初にフッてしまうのも、まぁ…無理はなかったんですよね。

 

10年間の物語で避けては通れない「東日本大震災」も

どう描かれるか少し期待していましたが、電話は繋がる、電気は普通に点いている、

冷静にてきぱき対応している社員たちとファンタジー感満載で…

色々大変でしたが数日後に普通の生活に戻りました、さて本題は百合の寿退職の話です

という作りに見えてしまいました。

だったらそんなに「あの日に起こった地震」を強調して描かなくても

良かったんじゃないでしょうか。

東京も、当時は停電に怯え、毎日流れるニュースにかじり付く日々を送っていたはずです…

 

こんな感じで色々モヤっとした事も書いてしまいましたが、

冒頭にもあった通り、初めて友達が出来たサクラの心情描写は印象に残った回でした。

そこは純粋に、嬉しかっただろうなぁ…と思いたい。

 

次回は刑事ドラマではおなじみの(?)「社史編纂室」が舞台となる展開のようですが、

サクラが新境地でどう変化していくのか。どうやって人を巻き込んで行くのか。

気になりますね。

 

 

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