デジタル・タトゥー 2話 感想|ちょっとだけの人には寛容な社会であって欲しい

 

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「世の中には良い人と悪い人と2種類いるんじゃないんだ。」

「みんなちょっとずつ良い人で、ちょっとずつ悪い人なんだ。」

この言葉、妙に刺さったなぁ…。

そして、それを亮太に伝える岩井(高橋克実)のシーンのロケーションが美しくて。

自然の景色をバックに引きの映像にしたのが効果的なのか、

雪山が全ての人を受け入れる寛大さの象徴に見えた瞬間でした。

 

大野(中村靖日)の痴漢の件は私からしたら、もう8年前の事なのに。

今は子供想いの先生として新たな人生を送ってるのに…って思っちゃいます。

そもそも、「嫌な人に似てたから」「自分が怖い目に遭ったから」という個人的な事情で、

赤の他人に自身の心境を重ねてしまっては、純粋に大野が可哀想。

 

でもそれは、直接痴漢や犯罪の被害に遭っていない私が言える意見なのであって。

辛い過去を経験した人の立場になって考えると、

性犯罪者は一生許されるべきじゃないとか、不安に駆られる日常に窮屈になってつい…とか、

そういう感情が込み上げてしまうのも分かる気がするのです。

 

けれども、今は"良い人"に変われた大野の過去に執着して未だに

"前科者"というレッテルを張り続けるゆかりの行為は、彼にとってはやっぱり酷過ぎる…

岩井が言っていたように、過去に失敗をしてしまった人の方が沢山いると思うのですよ。

「ちょっとだけ悪い人」は「悪い人」とイコールではないし、

「ちょっとだけ良い人」は「悪い人だった自分」から脱出出来た姿とも言える。

勿論、完全に悪い人はきちんと罪を償うべきですが、「ちょっとだけ」の人には

優しい社会であってくれたら良いのになぁ…と願わずにはいられないお話でした。

 

岩井が「過去に過ちを犯した」キャラだからこそ、

積極的に解決してあげようとするのも、

ついつい前のめりになって依頼人を庇おうとするのにも説得力があります。

熱くて人情深い岩井さんと、傷を抱えたタイガ。やはり、良いコンビになると思います。

でも、もう少しタイガの活躍を盛り込んでみたら、よりコンビらしくなるのかな?

 

最終的には、無事に書き込みを削除してくれたようですが…

掲示板のレスだけじゃなくて、大野の事が書かれてるタイトルも消したほうが

もっと彼の安全に繋がるでしょう。

あと…亮太の読字障がいの件は唐突過ぎたので、

省くか、亮太の動きから読み取れる伏線を仕込むべきでしたねぇ。

 

 

↓前回の感想はこちら↓ 

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