大恋愛〜僕を忘れる君と 10話(最終回) 感想と総括(長めです)

 

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はぁ…途中からずーっと泣いてたわ…

病気が絡んでいるから死に際に泣かせるとかじゃなく、

今までの二人の思い出を紡ぐような、まさに全10話が「小説」だと感じられるような、

丁寧に描かれた本作らしい最終回でした。

 

尚(戸田恵梨香)が一瞬だけでも

真司(ムロツヨシ)の事を思い出すくだりは、特に印象的。

アルツハイマーにかかっている尚」から「元の姿の尚」への変化を見せる演技は

相当難しいと思いますが、戸田恵梨香さんが上手く演じ分けられたからこそ、

「良かった…!」という感情がより大きくなったような気がします。

文章の続きを読み上げる尚と同時にかかった主題歌も、また粋なものでした。

 

でも、強いて言うならば、前半部分は時間経過だけで物語を進めるんじゃなく、

真司と恵一が必死になって尚を探す姿も、見せて欲しかったかなぁと思います。

そして、尚を預かった朝倉ですが、仮にも医者なわけだから…

尚の様子が違うのは明らかに分かるでしょうし、連絡しないでと言われていても

すぐに警察に居場所を伝えるべきだったんじゃないでしょうか。

テレビで探してる事を知ってから…って、ちょっと遅い気が(汗)

 

で、一番気の毒なのが恵一くん…。

置き手紙にも息子の名前は書かれていませんでしたし、

最後まで思い出しもされなかった。

ビデオカメラには写真として(?)残っていても、物語上でフォーカスされたのは

尚と真司に関する事だけ。

それでも、偉いよねぇ…。尚に認識されていなくても

初めての人としてちゃんと振る舞うし、目の前で泣きもしない。

将来、立派に育つよ、この子は。うん。

あくまでも二人の純愛ストーリーとは言え、夫>息子に描かれているのは

気になりましたが…

 

「砂にまみれたアンジェリカ」とOP映像を彷彿とさせる

二人の浜辺のシーンはとても美しいものでした。

「尚の死」でショッキングだけれども、それと同時に「真司の生きる希望」も感じられる

ほんの少しの爽快感溢れるラストも良かったです。

いつまでも記憶に残り続けるでしょう。

 

それにしても…「大恋愛」の表紙、今までのは良かったのに

急にダサくない?と思ったのは私だけ?(笑)

 

 

総括

 

始まる前は普通に「闘病もの」だと思っていて、

それを大石さんがどう描かれるのか…と様子見状態でいたのですが、

蓋を開けてみたら、尚と真司のやり取りにとにかく惹かれたんですよねぇ。

「あ、これは見守っていきたい」と、初回からすぐに本作を応援したくなりました。

 

そして、戸田恵梨香さんとムロツヨシさんじゃなかったら

全く別物になっていたでしょう。

お二人が醸し出す雰囲気は正に「純愛」そのもの。

戸田さんは最近の作品よりも、自然体でいるように感じられましたし、

痩せた体を活かし、病気でか弱い姿の使い分けも見事に演じられていました。

ムロさんは、持ち前のユーモアさと真っ直ぐさのバランスが

丁度良い塩梅で、回を重ねるごとに、視聴前の違和感(すみません)が

いつの間にか吹っ飛ぶ程でした。

ホクロ探しやアテレコでクスッとなる感じは、

ムロさんじゃなきゃ出来ないものだったでしょう。

 

ストーリー全体に関しては、前回の感想で散々書きまくったので

ここでは割愛しますが…やっぱり、6〜8話辺りは整理して欲しかったですね。

まぁ、最後まで見てきて「松尾は登場させなくても良かったんじゃ」という

気持ちは少しでも拭えたので良かったですが。

(真司の気持ちを変化させる役割を担ってましたし。)

 

お二人が演じるキャラクターに惹かれつつ、

主題歌の入りや観覧車などのロマンチックな演出にも魅せられた作品でした。

アルツハイマーを扱ってはいるけれど、進行の様子を描きすぎないからこそ

見やすくもあったし、また、好意的に最後まで見られたのかもしれませんね。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

rincoro-ht.hatenablog.com

 

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