監察医 朝顔 1話 感想|食と日常が描けてるドラマは良いドラマ。

 

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最近の月9のクオリティと、脚本家が去年の「犬神家の一族」を担当された

根本ノンジさんというのもあって全然期待していなかった分、

あ、ちょっと、良いもの見たなって反動が大きかったです(笑)

 

やっと視聴率を稼ぐためだけの「王道のラブ匂わせ要素」「時代劇風構成」

「大人の事情によるキャラ上げ」「分かりやすい台詞」路線から外れてくれたか…と

安堵の気持ちで満たされた初回でした。

 

上に挙げた特徴がある意味、大衆的にウケの良い長所でしょうし、

それらを含めた作品と本作を比べたら本作は引きが少し弱いのかもしれませんが、

とりあえず一言で言うならば…「食」と「日常」をしっかり描くドラマは、

きっと良いドラマだ、と思っています。

久々に期待出来そうな月9がやって来て良かったです。

 

法医学を扱ってるというのもあり、視聴者がまた「アンナチュラル」と比べてしまうのは

スタッフ側も覚悟していた事でしょう。

どうやったら比べられないように出来るか。どこにフォーカスを当てるか。

 

本作は先ほど書いた通り、普通の食卓を親子で囲んだり、他愛もない会話をしたりする

シーンが多く映されている印象で。

多分、「アンナチュラル」の「生きるために食べる」の台詞をヒントに、

大切な人と日常を過ごせる事の有難さを重視した

独自のスタイルを築き上げようとしたんだろうな…と考えさえもしました。

同時に、人間の命は突然ふと消えてしまう可能性のある

儚いものでもあるのだというメッセージ性も伝わって来ました。

 

全体的に漂う切なさは、キャラ作りだけでなく、演出面でも音楽面でも

ちゃんと練られていてのものだと思います。

若干モヤがかかった映像。ふわっと包み込んでくれるようなピアノ調の劇伴。好みでした。

スタッフクレジットを見てみたら、例示した作品だけでなく

「インハンド」も手掛けた得田真裕さんだったので、

やはりセンスがある方なのだ…と納得しつつ。

遺体の胸に手を当てて「教えて下さい。お願いします。」と真摯に向き合う

朝顔上野樹里)も好感の持てるキャラで、今の所は良い感じです。

 

1話完結パートの調査過程も手順を踏んで描けてるし、日常パートは温かい世界観だしで、

これだけでも十分満足な気はしますが、

初回でガッツリ挿入した震災パート(縦軸)が今後どう絡んでいくのか?に注目ですね。

最終的に「入れなくても良かったのに…」となりませんように。

まぁ、見た限りはこちらも真っ向から描いてくれそうだという期待は感じられましたが。

 

親子コンビも息の合ったやり取りを披露してくれましたが、

平(時任三郎)と桑原(風間俊介)の頭1つ分の身長差コンビも何だか可愛らしく、

微笑ましく見られそうな要素もあるドラマです。

次回以降も、初回のクオリティを保ってくれてると良いな。

 

 

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