彼女はキレイだった 3話 感想|「まだ見られる」くらいのレベルに

 

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3話にして急に優しくなり始めた宗介(中島健人)。

不快だの、イライラするだの、視聴者の彼に対する評判があまりにも悪かったから

テコ入れでもしたのか?ってくらいのキャラ変っぷりですね(笑)

 

廃刊の話を愛(小芝風花)が盗み聞きしていて、

隠れているのに驚いた時のリアクションに子供の頃の宗介の面影を感じさせたり、

救急車のトラウマは母親の死が関わっていて、それを今でも引きずっている事が発覚したり…

人はこうやって弱点を見せて、初めて魅力的に映るとは言いますが…

彼の場合は、前回の羽田空港の件を筆頭に、酷い部分ばかり描かれてきたからなぁ。

極端な描写が本当に勿体なかった。

それに、好意を寄せる相手と気に入らない相手で態度を変える人だと

分かってしまっている以上、この先両想いの方向に向かっても応援出来ませんしね(苦笑)

たまたま自分の好きだった愛と重なったから優しくしただけで、

また社内で出会った頃の彼女と同じポンコツな人と接したら

恫喝するんでしょ?とも思ってしまうため、彼に対するイメージはそう簡単には変わりません。

まぁでも…本作は宗介のパワハラ気質な所が嫌で、視聴継続するかリタイアするか

今回で見定めるつもりだったので、今までよりも「見やすい」「何とか見られそう」くらいの

レベルに昇格したのは良かったです。

 

そして、本作を視聴する延命措置をもう少しとろうと決めた理由は、

四角関係になる梨沙(佐久間由衣)と樋口(赤楚衛二)の人柄が見えてきたから…

っていうのもあります。

成りすまして親友の初恋相手に会ったら、禁断の恋に踏み出してしまうという

想定内のルートを脱出し、一番傷つくのは愛だからと自ら引き下がった姿には

どうやら2人の間に本物の友情がありそうで意表を突かれましたし、

樋口を演じる赤楚さんはもう…明るく気立ての良い笑顔の奥底に

チクリとする傷が同居しているような表情が印象的で、

演技をまだまだ見てみたい気持ちにさせられました。

「チェリまほ」もそうでしたけど…やっぱり繊細な役が合う方なんだなぁ。

 

前回では仕事メインでほぼ無視されていた幼少期の設定も、

数々の「物を落とす」くだりを 後のパズルのピースの伏線回収として繋げたり、

宗介を雨の中錯乱させるなどして、ガッツリ活かしてきた感じ。

本作にとって重要であろう正体バラシの件を、

酔っぱらった勢いの電話で…という淡々とした見せ方で終わらせなかったのは安心しましたし。

特に、愛がジャケットで守るシーンは、宗介が彼女を見る顔の角度まで一緒で、

離れたくても離れられない"運命"を感じさせる点で

ロマンチックに演出されていたと思います。

 

さっきも書いたように、宗介を好きになる事は多分ないけれども、

今回くらいのバランスが続けば、子供の頃にいじめられたのを引きずっていて

人とのコミュニケーションの取り方が下手になっている…と脳内補完しておけば

いけそうな気はしてきました。

なので、次回以降も"イライラ"控えめでお願いしたいですw

 

 

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ナイト・ドクター(Night Doctor) 5話 感想|無許可で手術しても処分なし!

 

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あの〜…たとえいくらあり得ない展開だったとしても、

その前後に補足があれば、まだ受け入れられたと思うんですよ。

入れて欲しかったのは「実の両親に連絡したかどうか?」の1つだけ。

これがあるとないとでは、夜間医療チームの印象が全然違う。

誰か1人が実の両親の許可とろうとギリギリまで粘っていて

結局間に合わなかった…という所まで描いていたら、

目の前の命を救うためなら躊躇しない使命感の強い医者に見えていたかもしれないんですけど、

訴訟中の人に対して「そんなに訴えられるのが怖いんですか?」って嫌味は言うわ、

日向(正垣湊都)を連れてきた越川(紺野まひる)が

誘拐犯の可能性があると疑わず素直に言葉を信じるわで、

まるで頼もしい存在に映らないんですね。

そして、もしこのまま日向が無保険だったとなると

手術に関わった全員に相当な罰が下される訳で…

努力している様子もなく、後先を何も考えずに突っ走る無責任な医者の姿に

どう感動しろって言うんでしょうか。

まぁ、本作の事だから、今回の件もうやむやにしてなかった事にするんですよね(苦笑)

 

"チームの絆"の描写も極端なら、緊迫感の演出もズレていて。

毎回誰かしら感じ悪い登場人物がいて、

人のプライバシーにズカズカ入り込んで気まずくさせて、デイドクターといがみ合って…

医療ドラマにおける緊迫感って、人間関係のもつれで見せるものじゃないと思うんです。

肝心の医療現場は、立っていてはプライベートの話で揉めているか、

控室や屋上で喋っているかして暇そうだなぁ…といつも思いながら見ていますが…

今回はみんなが直立して説明台詞を話すシーンが多いのもあって、

画面に「動」が感じられず、余計に間延びしていた気がしました。

 

内容にしたって、前回のラストを考えれば

成瀬(田中圭)の過去に焦点を当てた話になるはずなんですけど。

これまで通りに"1人の人間の成長"を描けば良いものを、

なぜか彼と関わりのない人物のエピソードを混ぜ込んだために、

一応表上は「人生における究極の選択」というそれらしいテーマにまとめつつ

「で、結局何が描きたかったの?」みたいな主軸のぼやけた内容になってしまいましたね。

 

美月(波瑠)が過剰労働で倒れるのは予想通りで面白みはなかったですが、

分かりきった展開を2週間後に引っ張らなかった所や、

デイドクターから「親の同意書なしに手術するなんてあり得ない」という

マトモな言葉が聞けた所だけは良かったです。

本当、その2つだけ(笑)

 

 

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TOKYO MER〜走る緊急救命室〜 3話 感想|さすがに今回の話は無理がある…

 

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基本的に力技ですよね、本作。

初回の感想でも書いた通り、医療ドラマというよりかは

戦隊モノとして見た方が楽しめるんですよ。

 

喜多見(鈴木亮平)を始め、TOKYO MERの面々の活躍ぶりを立てるために

あえて「チームを敵視する存在」「水面下で潰す計画を立てている政府」といった

日曜劇場らしい陰鬱な登場人物が多いのは確かに気になるし、

大規模な事故に派遣される医者なのにヘルメットを着けさせないとか、応援要員が少ないとか、

素人でもあり得ないと感じる部分も散見されるんですけど、

それでも最後まで見てネガティブな感情が残らないのって、

役者さんの演技力から出る頼もしさに助けられているからだと思っていて。

細部をどんなに荒削りしようが、役者さんがちゃんと"胸に訴えかけるシーン"を作ってくれるし、

立てこもり事件や爆発などで現場を派手にすればするほど、

ピンチな時に駆けつけるチームの絆の深さを描いて、見応えのあるものにしてくれる。

…で、手術シーンで手が震える事もなく、

どんな状況でも柔軟に的確に対応するスーパーヒーロー・喜多見に安心する。

今期は"プロ"とは名ばかりの社会人が目立つドラマが集っている分、

(一部を除いて)私情を絡めずに仕事をこなす人々の様子が描かれるだけで

個人的にはポイントが高いのです。

 

ただ、そうやって好意的に本作を見てきた私でも、

さすがに今回の話は無理がありました。

 

1つ目は、医療従事者以外の描写。

本作は別に刑事ドラマではないから、犯人の立てこもりの動機だとか、

どんな職業で、どこから銃や大量の弾を仕入れてきたのだとかは

掘り下げなくても良いとは思います。

問題なのは、保育士・SIT・警察上層部があまりにも無能に描かれている事です。

保育士に関しては、幼い子供達が立てこもり現場の生中継を見たらトラウマになり、

下手したら心的障害を起こす子だって出てくるかもしれないのに、

テレビを全く消さず、子供に見させないようにもしないで

夢中になって見ているのが不思議ですし。(そもそも保育園ってテレビ点けるのか?って話ですし)

SITの方は、人質の娘を手放し一旦顔を出したタイミングで犯人を狙撃したり、

近くまで出動させたりもしないで、なぜか指揮者となった喜多見の指示で

初めて動くというヘタレ具合。

そして、警察上層部は、あの…

「万が一の事があれば警察のメンツは丸潰れ」って言ってますけど、

冷静に考えれば、人質を死なせた方が

メンツが潰れるって事は分かると思うんですよ(苦笑)

どの職業にしたってプライドを持って目の前の物事に取り組む点は

共通している気がするんですが…

片方を上げるために、もう片方をまともに仕事をしていない風に下げる手法は好みませんね。

 

2つ目は、医療従事者の敬意・感謝の描写。

冒頭で蔵前(菜々緒)の「医療従事者差別」を持ってきたのは、

最後の方でSITに敬礼させて「彼らがどれだけ国に貢献しているか分かってくれる人がいる」

「頑張りをしっかり見ていてくれる人がいる」という有り難みを際立たせる、

医療従事者に対する偏見をなくす意図があったのかもしれませんが、

冒頭のシーンがなくても描けた事だと思います。

むしろ、それがあった事で不自然さが増しました。

医療従事者とその子供を嫌がる保護者達は

「うちの子が感染させられるかもしれないから」避けようとしているのに、

果たしてそういう人々が現場の中継を最後まで見て、拍手喝采して

心に響くものなのか?という疑問しか出てきませんでした。

 

3つ目は、死者ゼロの描写。

池井戸作品かのように大きなリアクションをする姿には小っ恥ずかしい気持ちを覚えても、

受け流してはきたんですが、

今回のケースは、流石に素直に喜べるものではないでしょう。

元旦那…殺し屋ですよ?娘を脅迫して人質にしたんですよ?

医者の立場なら、1人でも命を助けたいのは分かります。

しかし、さっき書いた話に関係してきますが、やっぱり犯罪を犯した者は

それ相応の罰を受けるべきですし、

治療して元の状態に戻して、万が一また2人に近づきでもしたら…

母親も娘も、なんであの人を助けたんだろうって思いますよね。

犯罪者を救った事で、再び危機にさらす可能性を生んでしまった。

「死者ゼロ」がコンセプトにしても、

命を救う事が全て誰かにとっての喜びに繋がるとは限らない…という

ある種の"責任の重さ"を仄めかす場面は欲しかったです。

 

医療従事者以外の職業との現場での対立、反対を押し切って強行突破する主人公、

そんな主人公&メンバーの行動を阻もうとするアクシデント展開、

外部の人間とも揉めるが最終的に都知事が助け船を出す、

…で、「死者は…ゼロです!」で大喜びするまで、

状況や人物は変えて一応違いを出そうとしているものの、

全体の流れもほぼ似通っている感じも否めませんね。

少なからず、たまには敵の存在をガッツリ描かない回があったって良いんじゃないでしょうか?

 

 

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