監察医 朝顔(2021) 15話 感想|生きた証を探したい人はどこにでも存在するね…

 

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茶子先生(山口智子)も非常勤講師としてやり取りが増える。

桑原(風間俊介)も五十嵐(松角洋平)のお陰で神奈川県警に戻れる事になった。

(まぁ、その代わり誰かが退場になるんじゃ…と疑ってしまうけどw多分なさそう。)

仕事の部分は苦く、家庭の部分はほっこりとさせるメリハリを効かせた作りも帰ってきて、

最終章で"元の形"に戻ろうとしてきている。

 

ただ、以前と違うのは、やっぱり平(時任三郎)のアルツハイマーの進行の件で、

つぐみ(加藤柚凪)と一緒に居るシーンに癒されたのが、

今では「2人で大丈夫かな?」「行方不明になったりしないかな?」と

心配になってしまうシーンになりつつあるのがちょっと悲しい。

でも…きっと、老後はまだまだ長い。

朝顔や桑原やつぐみがいれば、今回の事も思い出の一部に変わるだろうし、

お酒を飲みながら昔を語り合ったり、ごめんポイントで盛り上がったり、

そうして笑顔が戻ってくる日が増えるんじゃないかなぁ…と思ってます。

 

事件の方は、本人の意思で体の中に遺書を入れてもらうのには驚いたけれど、

同時期にキャストと境遇が被るのは、ジャンルによってはあまりよろしくないのかも(笑)

序盤の方で藤堂(平岩紙)が関西弁が移ったっていうくだりもあっただけに、

ますます「美保純の家の話」に思えてしまいましたw

という冗談は置いといて…

 

 

包まれていた歯、里子(石田ひかり)のものではない事が判明しましたね。

40キロ遠くの町の人だと、そんな細かい所までよく分かったもんだと思いましたが、

今回の事件の娘のように"生きた証"をただただ知りたくて、

時間やお金を犠牲にしてまで根気強く探し続けてきた人が向こうにもいたのでしょう。

その一方で、「もう調べない方が良いんじゃないか」と捉える存在もいる。

私は多分前者の考え方になるだろうけど、後者もその人の事を想って言っているのは分かるし。

自身が歳を重ねて死に不安を覚えるようになったら、どん底を味わったら…

後者のような考え方にもいつかなるのかもしれない、とも考えさせられました。

 

そして、とうとう嶋田(柄本明)が危篤状態に。

違う人の歯だと分かった今、人生の終わりを迎えるであろう彼に

真実を伝えるのか。それとも秘密にしておくのか。

その答えは、来週に出されるのでしょうかね…。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 6話 感想|「東朔也」を押さえておけばOK

 

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ひとつ思ったのは…

あ…コロナ禍の設定、忘れていなかったんだ…という所。

なので、1話以来自分の中で勝手になかった事にしようとしていた

中途半端な取り入れ方による違和感が、またぶり返してきちゃいましたよ(苦笑)

だって、コロナ禍の世界線である事を表すマスクの着用が

初回の電車のシーンだけで、それ以降は匂わせる要素もなければ

普通に中でも外でも顔を出していましたからね。で、今回の「濃厚接触」ですよ。

私が最近ドラマを見ていく上で注目している点で

「コロナ禍を取り入れているかいないか」

「物語を描く上で、なぜコロナを取り入れようと考えたのか」も含まれているので…。

今回の台詞が今後に向けてのキーワードになっていくのでもないならば、

わざわざコロナ禍に関係した言葉を使う必要もないし、

別の嘘のつき方でも良かったんじゃないか?と思ってしまいました。

細くてすみませんね(汗)

 

さて、ミステリーの方は…

謎に謎を重ねている作りなので、点と点が繋がる爽快感がないまま

どんどん構造が複雑になってきていると言えばそれまでなのですが。

着実に真相には近づいてきていますね。

そして、同ジャンルである「あなたの番です」「危険なビーナス」

(某原案者の事情も含めて)キャスティングで犯人が分かってしまったし、

「テセウスの船」は家族愛で引き延ばし、設定をこねくり回し過ぎて

途中から多くの矛盾点を生じさせてしまったのを考えると、

本作の展開の仕方はよく練られているとも思います。

いかにもサイコパスやりそうな分かりやすいキャストもいないし。

今回は4人の男性が登場してきたけれども、

中でも最後に「東朔也(あずまさくや)」という名前、

その名前が死亡届に載っているかを調べる彩子<日高>(綾瀬はるか)の様子を見せた事で、

考察が苦手な視聴者にも「今回はこの名前をよく覚えておいてくださいね」と提示してくれる

親切設計にもなっている。

でも…考察した所でそれが確実なものかどうかも分からない。

毎回必ず"新たな謎"が見つかるから。

下手すれば「最終回だけ見れば良いや」で終わってしまいがちなミステリーもので、

来週も、再来週も…1つも残さず続きを見たい、真相を知りたいと思わせる作品って

中々ない気がします。

 

ちなみに、足りない頭で考えるとするならば…

満月になると誰かと入れ替わり、新月になるとお互いが元の姿に戻る仕組みで、

東朔也は日高と事前に入れ替わっていて、

新月の日に果たして本当にそうなるのか、事件の犯人は現れるのかを確かめるために

彩子<日高>があの家で待ち伏せしていた…とかですかね?

日高<彩子>(高橋一生)と八巻(溝端淳平)の元から

逃げて行ったあの男が、多分、東朔也=φ。東とは共犯者で、彼は主犯?

ああ、書いてても訳分からん!(笑)

過程を見守るのが一番良いのかもしれませんけどねぇ。

ただ、今の所あまり噛み合っていない主題歌に説得力を感じられるような、

壮大で複雑で、ほんの悲しさを見せる結末に辿り着いてくれる事を期待したいです。

 

 

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俺の家の話 5話 感想|能に縛られ続ける2人の人生

 

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寿限無桐谷健太)の遅めの反抗期は、案外あっさりと終わった。

まぁ…大人になってからだとあんな感じなんだと思いますよ。

父がクソジジイだと知ったら、家出をしたり能を辞めたり出来たはずだけど、

彼はそうはせず、いつも通りの生活を送る事を選んだ。

小さい頃から現在まで長い間人生を共にしてきた「能」だから…

捨て切れなかったし、捨てたくてもどうやって捨てたら良いのか

分かんなくなっちゃったんでしょうね。きっと。

大州(道枝駿佑)くらいの年齢で事実を知らされていれば

別の夢を見つける事も、親に対して思いっきり口答えする事も出来たかもしれないだけに、

感情を上手く伝えきれないまま「結局自分にはこの道しかないんだ」状態になってしまう

寿限無の姿は、ちょっと切ない。

 

でも、どうしようも出来ない怒りを

寿一(長瀬智也)にぶつけられただけでも良かった。

身近な兄の存在がいた事が唯一の救いか。

終盤の「どこ乗れば良いの?」「ふふ…俺の隣だよ」の会話は、

実際には車のどこの席が空いているのかを聞くくだりでも、

その奥底には、初めてお互いを兄弟だと認識した2人が

不器用ながらも兄として、弟として"同じラインで"接しようとする

真っ直ぐな気持ちが込められているようで、妙な温かさを感じるシーンでした。

なので…ここは直に解決すると思いたいです。

 

「能」に縛られていたのは、寿三郎(西田敏行)も同じで。

妻が里帰り出産している時、アルコール中毒で倒れた時、イタリア公演の時と

事あるごとに女性と親密な関係を築くのは褒めたもんではないけれど、

何もかも捨てたい…でも人間国宝に選ばれたのがきっかけで

世間の目を気にしてしまって、結局は捨てる事を諦めたという所は分かる気がしました。

(性欲はむき出しだったよねっていうのは置いといてw)

 

家族写真も、誰かが能面の時を除いては、一度しか撮っていない。

まともに全員で旅行も行けないほど「能」に時間を費やし、縛られてきた人生。

そんな家族が「やらずに後悔よりやって後悔」というスタンスでいるのは、

"今"の観山家らしいなぁ…と思います。

このご時世だから、いつまたどこかで再拡大して、あるいはいつ終息するのかも分からないし。

最期になるかもしれない家族旅行、何も問題が起きずに

思いっきり楽しんでいって欲しいです。

 

ところで…あれだけ女性と交流があるなら、寿限無以外にも隠し子がいても

おかしくない気はしますよねぇ。

さくら(戸田恵梨香)が…って事はないのかしら。

っていうかそれ以前に、旅行から帰って来たら姿も家の物も消えてそうなんですけど…(笑)

 

 

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